ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 376
…探偵ですか。
いくら僕に会いたいからって、そこまでしますか…
「香澄ちゃんの計画に参加した人はいるの?」
「桜ちゃんは一応…でも、探偵さんを雇ったのは知らないはずです」
…ほとんど一人でね。
それだけの財産があるからできる話だな。
「でも僕でよかったよ…もし人違いだったりしたら、怖い目にあっていたかもしれないんだぞ…」
「はい…今から考えると、無茶なことしたなって思っちゃいます…」
俯きながら下を向く香澄ちゃんは、本当に反省しているようだった。
「まあ、その無茶なお陰で僕はこうしていられるんだもんな…!」
僕は腕を伸ばし、香澄ちゃんの小さな肩を抱きしめる…
「匠さん…」
香澄ちゃんが小さく、そして感極まったような声で呟く。
「はっきりと言うよ…僕は香澄ちゃんが好きだ。大好きだ。この世で一番、誰よりも…」
ある意味ベタベタ過ぎるかもしれない言葉だ。
でも、自分の気持ちを伝えるには、これが一番だと思ったのだ。
「私もです…匠さんのこと、大好きです…」
香澄ちゃんと顔を合わせ、視線を合わせ、そして唇が重なる―
それはまるで、こうすることが当たり前だったかのように2人は唇を求め合った…
唇を合わせたままで、もどかしいように互いの服を脱がせ…スプリングの効いたベッドへ倒れ込む…
「好きだ…愛してる……愛してる………愛してる…………」
僕は呪文のようにその言葉を繰り返した…
「私も…匠さんのこと、大好き…大好きです…」
香澄ちゃんが涙し、声を震わせて言う。
「香澄ちゃん…」
「匠さん…」
もう待ちきれなくて、僕はあらわになった香澄ちゃんの乳房にむしゃぶりつく。
「ああん、匠さん…」