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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 374

香澄ちゃんも、僕の背中に腕を回す。
「私のほうも…ずっと悩んでました。ごめんなさい…」
胸に顔を埋める。

「お父様から話を聞きました、全部…まぁ、お父様ではなかったわけですけど」
和彦さんか…
「それで、吹っ切ることができました。もう、隠し事も、悩み事も一切ないです」
香澄ちゃんは変わらない笑顔で答える。

「続きは、私の部屋で…」

元気が無かったのも当然だよな…

父親だと思っていた和彦さんが、実の父親じゃないって知ってしまった香澄ちゃんのショックは相当なもんだよ…
それなのに僕ときたら、執事とまた何かあったんじゃないかと疑ってしまうなんて…最低だ…

香澄ちゃんに促され、彼女の部屋のひとつ…寝室。

大きなベッドに、机が隅に置かれただけ、いかにもシンプルな部屋だ。
香澄ちゃんはベッドに腰掛け、僕も隣に座る。
「複雑すぎて、最初は何がなんだか、よくわかりませんでした」
「まあ、仕方ないね」
「お父様がお父様じゃなくて、匠さんのお父様だって」
そこも話したか。

「でも、それは血縁があるかどうかなだけであって…私を育ててくれた人が、本当のお父様なんだと思うんです」
それは、僕も同じ気持ちだ…

「それでさ…和彦さんと執事の男とのことは、恨んでないの?」
香澄ちゃんと和彦さんの確執の根源だ…聞かない訳にはいかないからな…

「あれはお父様は悪くないんだって…それを伝えに裕樹さんはいらしてくれたの…」
「…悪くないって?」
それを伝えにわざわざ来たのか?…

「酔ったお父様を無理矢理に押し倒したのは裕樹さんだったの…あの人は男も女も相手に出来る…そういう人なんだって…」

…男も女も相手に出来る?
そういう趣向の奴がいるとは聞いたことがあるけど…まさか香澄ちゃんの初恋の相手がそんな男だったなんて…

「私も最初は意味がわからなくて、桜ちゃんに聞いて初めて知りました」
…桜ちゃん、君は十分腐ってますね。

「確かに祐樹さんを取られたのは悔しくて、悲しくて、それが家出した原因の一つです」
…やっぱりか。
「…でも、良かったです。そのおかげで、匠さんに出会えたから」

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