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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 373

その天使のような笑みを僕に向けてはくれるのだけど、これが暫く会わずにいた恋人との対面か?…と、なんだか気抜けしてしまう…
僕の中では、駆け寄って来ての熱い抱擁を、勝手に思い描いていたんだな;…
まあ駆け寄っては来たのは来たんだけど、それは桜ちゃんに対してであって、僕が横にいたのすら気づいてもいなかったもんね;…
よっぽどその元執事とかの話しを桜ちゃんにしたかったんじゃないの?…

「じゃ、後はお二人のお時間を」
「え、桜ちゃん行っちゃうんですか?」
「私は仕事があるので」

桜ちゃんは笑顔で行ってしまった。

…さあ、どうする。

「匠さん、私のお部屋に来てください♪」
「ああ、うん…どのお部屋?」

「嫌ですよぉ匠さぁ〜ん…それを私に言わせるんでぇすかぁ〜?…」

あ、寝室ってことですね;…

「それよりも先に…何か話したいことがあるんじゃないの?…」
「ふへぇ?…何をでぇすぅ〜?」
「ごめん、聞いちゃったんだよね…今さっきまで祐樹とかいう例の執事が…香澄ちゃんに会いに来てたってことをさ…」

僕が申し訳無さげに言うと、香澄ちゃんはふっと息を吐いた後、笑顔を見せた。
「ご存知でしたか」
「ごめんね…」
「いえ、匠さんは悪くないです。何時迄も逃げていては、私も子供のままですから…」

香澄ちゃんは話を続ける。
「祐樹さんがいらしたのは本当です。私に、もう一度お付き合いしてほしいとも言われました」
…何だって!?
僕は思わず焦ってしまう。

「ですが、丁重に御断りしました」
「えっ…」
「新しく、好きな人が出来たって。その人と、一緒になりたいって…」
香澄ちゃんはその笑顔のまま…
「匠さん、あなたのことですよ…」

感動した!…
こんな風に、女の子から愛の告白を受けるのは初めてだった。

「か、香澄ちゃん!…」
思わず香澄ちゃんの身体を抱きしめる。

「ごめん香澄ちゃん!…今まで会いに来ないで、ホントごめん!」
僕は背中に回した腕に力を込めた…

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