ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 358
「すごいです…匠さんの、どんどん硬く、大きくなってます…宏さんよりも…」
まさか、そんなはずは…
でも、それよりも、宏を裏切るような真似はしたくないのに…
「アンナさん…そこまでは…っ!」
精一杯の理性を保つべく、僕は声を張り上げる。
「最近…宏さん…してくれなくて寂しかったんです…」
アンナさんの笑顔が、ちょっぴり影を帯びた。
へぇ?そうなの?…
高校時代は毎日の放出を日課にしていた宏だったのに…歳をとったということなのか?
「最近って言っても…月に何度かはあるんだろ?…」
「いいえ…実は宏さん、バイクの事故で腰を痛めて…もう機能しなくなってしまって…」
えっ?!…機能しないって………インポってことなの?!…
衝撃は大きかった。
高校時代からことあるごとに『俺、絶対大型二輪の免許取る』というほどバイク好きだった宏。
有言実行だったのだろう、でも事故起こしてたのか…
「それを理由に離婚の話もされました…でも私は、宏さんを愛してる…宏さんとは別れたくない…でも、身体は寂しい…どうすることもできなくて…お義姉さんに相談もしました」
そんなことがあったのか…
確かに弟の嫁さんに僕を勧めるなんて、普通では考えられないもんな…
「いけないことだっていうのは…私も分かっています…宏さんのことを考えたら、私も我慢しなくちゃいけないっていうことも…」
そ、そんな…
それはモラルからしてみたらそうなのかもしれないけど…アンナさんは血の通った生身の人間なんだから、こんな行動に出てしまったのは、当然だよ…
「匠さん…!!」
アンナさんが僕に抱きついた。
綺麗な顔が、涙で濡れていた。
アンナさんの背中に両腕を回し、抱き返した。
「泣かないで、アンナさん」
綺麗なブロンドヘアを、優しく撫でる。
どこの誰だかわからないヤツにアンナさんを寝取られるくらいなら、僕がアンナさんを抱くほうが、宏のためになるんじゃないか…