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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 284

「父さんが高校を辞めて、海外に行ったなんて知らなかったな…」
啓くんが言う。
「啓には俺のこと、全然話して無かったからなぁ」
伊藤さんは言いながら、昔を懐かしむ。

「啓くん」
ドアの向こうから梓が啓くんを呼ぶ。
「あ、ちょっと失礼します」
啓くんが部屋から出て、伊藤さんと2人になった。

ここで涼香さんやゆかりさんのことを聞いてもいいんだろうか?
2人っきりになれるチャンスなんて、この家でそうそうあるもんじゃないしな…

でも噂は聞いていたとはいえ、ついさっきまで顔も知らなかった相手に、失礼過ぎるのではないだろうか?
せめてもう少し親しくなってからじゃないと…

「ところで、啓くんのお母さんは?…」
お、親父;…
焼酎のボトルを持った親父が部屋に入ってきた。

「おいおい、晩飯前に酒は不味くないか?」
思わず親父に突っ込む。

「いや…久しぶりに教え子に会うことができたんだ、ついな…」
というか、その前にも一杯やってましたって顔だな。
「ありがとうございます…」
伊藤さんは素直にコップを親父から受け取る。
そりゃまあ逆らえないか。

…で、親父、今なんと言った?

「啓くんの話しだと、奥さん亡くされたとか…」
グラスをカチンと奏でると、思い出したように親子が言った…

うわぁ、いいのかよ?そんなこと聞いて…

「実は啓がそう思い込んでいるだけで、あいつも母親が出て行ったこと、分かってはいるんですよ…」
えっ?そうだったの?…僕はてっきり誰かにそう吹き込まれたのかとばかり思っていたよ…

「お母さんが自分を置いて出て行った…その現実を受け止められずに、お母さんは死んだことに…?」
「はい…死んだ方が捨てられより、啓にとっては納得がいったんだと思うんです…」

「そうか…」
親父は焼酎をグイッと一飲みして、ため息のように呟いた。

「啓も辛いだろうけど、一番辛い思いをしてるのは、出て行ったあいつだと思うんですよ…」
…ゆかりさん、なのか?
啓くんがモデルとしてやってきたときに姿を消すのは、そのせいなのか…

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