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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 282

…そうなのか。
伊藤さんは高校を中退して家業を継いだのか。
ちょうど啓くんも今が同じくらいの歳だ。

「そうか、啓くんは伊藤の息子だったのか…」
親父が感慨深そうに言う。
「まあ、中に入れよ、そこでゆっくり話そう」

父さんは僕にジョウロを渡すと伊藤さんを誘導する。
…これって僕に水やりしろってことですかね?

「あ、お兄さん僕も手伝いますよ。」
啓くんのその言葉に振り返る伊藤さん…

「啓は本当に匠くんに懐いているんだな…」
「匠は匠で、弟のように啓くんを可愛がっていますよ…」

親父と伊藤さんが後ろでそう言い合う。

なんだか恥ずかしいけど、実際にそうかもしれない。
僕にはきょうだいはいるけど、下の3人は妹だから…正直弟が欲しかったという気持ちはあった。

しばらくそうしていると、
「晩飯が近いから中に入るか」
「じゃあ僕はこの辺で失礼します」
伊藤さんが帰ろうとする。

「何言ってんだよ。晩飯ぐらい一緒に食ってけ!」
強気の口調で言う親子…
何年経っても、先生と生徒の関係ってそのままなんだよな…

「でも突然で奥さんに悪く無いですか?」
「そうかお前はいろいろある前に中退したから、操とのこと知らないんだな…」
「操って…?」
「桜木操…今は柏原操だ。」

「えっ、先生の奥さんって…」
「そうさ。あの後いろいろあってな」
「そうでしたか…」
「まあ、久しぶりだし、せっかくだから上がって飯食ってけよ」
…そう言われたら、伊藤さんも引き下がれない。
僕と啓くんの後に続いて伊藤さんも家に上がるのだった。

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