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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 274

「いえ、学校から直でここに来ましたよ?」
「でも私服じゃんかよ」
「時間に余裕を持ってきたんで、駅のトイレでサッと着替えてきたんですよ」
「ほー」
意外と要領のいい奴だったんだな。

「じゃあ行くか。今日も家で泊まるんだろ」
「すいません、もうすっかり居候で」
「君がいたほうがみんな喜ぶからいいんだよ」

「ちょっと着替え取りに帰りますから、お兄さんもどうです?」
「あ、どうしよ…」
「ちょっと寄るだけですよ…父さんとも随分会ってないですから、顔ぐらい見せておこうと思って」

伊藤さんか…
噂だけは皆から聞いているけど、まだ一度も会ってはいないんだよな…

啓くんが用があるので、それについて行く形で立ち寄ることにする。
…少しだけなら他の人に会うことはないはず。

「啓くんのお父さんってどんな人なんだい?」
「僕にとっては、いい父親です。怒ることもそんなにないし、優しい人、ですかね」

「お母さんのことは…覚えているのか?…」
流れで聞いてみる…
どこか探りを入れているみたいで、ドキドキした。

「うんなんとなく…皆からはいいことは聞かないけど、僕の中にはそんな嫌な記憶は残ってはいないんだ…」

嫌な記憶…虐待のことだよな…

「本当に?」
「ええ…周りではいろいろ言われるんですけどね…僕が幼い頃に別れたというのもあるかもしれませんが」
…そういうことか。

「母は僕を産んだとき、それこそ今の僕くらいの年齢だったそうです…父さんが別の女の人と付き合うようになってからは…」
ゆかりさん、相当若いな。
そして、別の女性ってのが、涼香さんなのか?

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