ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 273
「へぇ〜そんな業界関係の人も来るんだぁ?」
「ええ、結構うちの商品よりもそれ目当てで来る人も多いみたいで、ゆかりさんや夏子さんは頭を抱えていましたよ。」
「まあそれも宣伝にはなるってことだろ?」
「はいぃあの二人は転んでもただでは起きませんからぁ〜」
そうじゃなければここまで出世?はできないでしょう。
「葉月ちゃん、これお願い」
「ありがとうございます、遥さん」
遥さんが葉月ちゃんに先ほどの用紙を手渡す。
「こんな感じの仕事だけど、柏原くん、どうかな?」
「まあ…いろいろ未知の世界ですけど、頑張りますよ」
「よかった。初めは大変かもしれないけど、柏原くんなら絶対大丈夫だよ。」
「そうだといいんですけどね…」
「先ずはお客様に気に入られることだねぇ。此処は社内の人間ばかりだからまだいいけど、お客様の前では頑張るだよ。」
「あ、はい!」
何だか緊張してきたよ…
今日はここで終了し、帰宅することになった。
モデルの仕事を終えて着替えている啓くんを待っているところ。
…どうせ今日も家に泊まるのだろう。
そういえば梓は来なかったな。
…そして、啓くんがモデルをやっている間、ゆかりさんも会うことはなかったし…
まあどちらにしろ、僕にとってはよかったけどね…
ゆかりさんと啓くんの関係をはっきりさせたい気持ちもあるけど、今日のところはそれどころじゃなかったしな…
「お兄さん、お待たせぇです。」
「なんだ学校帰りだったんじゃないのかぁ?…」
啓くんのラフな格好を見て、僕は何だか意外に思った。