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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 25

結局、駅構内のショップを廻り、僕たちはいろんな店から惣菜やらデザートなんかを購入することになった。
両手いっぱいに紙袋を下げ、香澄ちゃんの後を追うようにする僕は、どうも情けなかった。
…なんかこれって、我侭タレントのマネジャーみたいじゃないですか?

…何が違うといえば、これだけ買ったぶんすべてのお金が香澄ちゃんのポケットマネーから出ていることだろう。
僕が出せといわれたら即刻破産である。

改札を出てホームで列車を待つ。
香澄ちゃんはすでにいくつかの惣菜を頬張っている。
「ん〜〜〜、美味しいですぅ〜」
…今の君の顔のほうがよっぽどリスなんじゃないかって思うね。


それでもやっぱ香澄ちゃんは可愛かった。
ホームを行き交う男たち誰もがチラ見しているのは、タクシーを降りた時から気付いていた。
香澄ちゃんの全身を瞬時に、舐めるような視線でチェックした後、誰もが隣にいる僕を見て、
どこか安心したような…次ぎには小馬鹿にしたような表情を浮かべるのに対し、見た目は到って凡人の僕は苦笑いを浮かべるしかなかった。

「香澄ちゃんさ」
「ふぁい?」
…あ、まだなんか口の中入ってるな。
「男の人からナンパされたことってあるでしょ?」
「うん、ありましたよぉ」
だろうね。
この可愛さだもんね。

「でも、そういう男の人って大嫌いですから。今までも全部断ってきたし、今後もそんなつもりは一切ないですね」
真面目なときはいい顔するんだな。

N700A系に載ることさえ始めてなのに、そのグリーン車は驚くほど広かった。
「すぅげぇー!なんか興奮するよなぁー!」

「ふぉうですかぅあ?匠さぅん、鉄道オタァクゥなんですくぅあ〜?」
…おい、食べながら喋んなよ。
…てか、鉄道マニアじゃなくとも、この空間に普通は興奮するだろ…

「別にそう言う訳じゃないけど、シートなんてベッドみたい快適じゃないかぁ」
「いくらベッドみたいでも、1時間半じゃ出来ませんよね。」
…君は何を想像してるんだ?

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