ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 233
「簡便してくださいよぉぉ、今朝だって家族中に穿いてたパンツのことで攻撃受けたんすよぉ」
「へぇ〜そんな酷いの穿いてた訳ぇ〜?」
「終いには面接にそんなの穿いていっちゃダメだって、穿き替えさせられましたよ。」
「それじゃ、今はまともなパンツ穿いているんだよね?」
「え?まあ…妹たちが言うには…」
「よかったぁ〜それじゃ行きましょ!」
「行くってどこへ?」
「やだぁ〜柏原くん、それ私に言わせるの?」
…だってわかんないんですもん。
「…2人きりに、なれる場所…」
遥さんが頬を赤く染めながら言う。
えっ、それってまさか…
そんな遥さんを見て、胸の高鳴りが早まっていくのだった…
ルームキ―を手の中で回しながら、遥さんは各階表示のランプを見上げていた。
「どうしたんです?…突然」
「しょうがないのよ、これも仕事のうち…」
「へぇ?仕事って何です?」
「柏原くんがどんなパンツ穿いているのか、白鳥部長に写メで送るのよ」
「そ、そんなこと聞いてませんよ!」
「だから二人っきりになれるラブホに来たんじゃない。まさか居酒屋でパンツ一枚になってもらう訳にいかないでしょ?…」
確かに、死角になっているとはいえ大勢の客と店員がいる居酒屋では難しい。
「でも…」
「これでOKなら、柏原くんは内定だよ。それで再就職が決まれば、いいに越したことはないでしょ?」
「そ、そうですけど…白鳥部長って何者…」
「すっごく仕事の出来るお姉さま、って感じね」
ルームのドアを開くと、センターに置かれたキングサイズのベットが、“いかにも"という感じで生々しかった…
「それじゃ早速撮っちゃう?…」
「あ、いや…なんか…」
酔うと服を脱ぐ癖があるためか、裸になるのにさほどの抵抗は無かったのだが、あの薬局で飲んだ強精剤のせいでか、ソコに熱を感じはじめていた…