ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 230
…あの頃は弥生さんにされるがままだっただけで、やってるうちに弥生さんに仕込まれたところもあるかもしれない。
だから遥さんとしたときも抵抗がなかったのだろう…
「柏原くんと付き合う女の子は幸せじゃない?」
「…なぜですか?」
「だって、ちゃんとイかせてくれるじゃない…私、始めてだったのに、ちゃんとイかせてもらったもの…」
「あ、そうだったんですね;…」
確かに独り善がりのセックスはいけないと、弥生さんに教えられていたことを思い出す…
「私ね…あの後何人かとは寝たけど、最後の時には何時も…柏原くんを思い出すの…もう何年も前の事なのに変よね?…」
…遥さん…
それって、僕のことがもしかして…
「なんか、ごめんなさい」
「どうして謝るのよ〜、私は何も悪いこと言ってないじゃん!」
「いえ、遥さんの中で、僕のことが残っているのなら、他の人に申し訳なかったかな…って」
「柏原くんは優しいね…やっぱり変わんないや。それなら、彼女がいても良いよね…」
「そう言う遥さんは…彼氏は?…」
「ええ…まあいるにはいるけど…」
「どうしたんです?…」
遥さんは何かんを吹っ切るように、ジョッキを一気に空けた…
「堂々とは言えないのよ…世で言う、不倫ってやつでね…」
あぁ、お相手は家族がいるんですか…
そりゃ、大っぴらには言えないですよね。
「でも、その人のことは好きなんですよね?」
「うん…彼も、奥さんより私が好きだって言ってくれる…それは嬉しいけど、それって本当の意味で好きなのか、わからないんだ」
…僕も、人妻である弥生さんと付き合っていたが、遥さんの場合はまた違うよなぁ…