PiPi's World 投稿小説

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

の最初へ
 207
 209
の最後へ

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 209

「元気にしてたか?…」
「親父とお袋によろしく言ってたよ…」
「そうか、卒業以来会ってはいないからな…」
「僕のこと…知らないんだって?…」
「ああ、それに関しては父さんが悪かったと今でも思っている…」
「なんか訳があったんだろ?…」

「怖かったんだ…初めは妊娠を教えると、母さんを奪われそうで…
お前が産まれてからは、嫡男がいない青山家が黙っているとは思えなくてな…」

…言葉が出ない。
やっぱりこの人は、血の繋がり以上に僕の親父だ。
僕を、そしてお袋を守るために、青山家には何も教えず、今まで本当の親のように僕を育ててくれた…
親父以上に、人生において感謝すべき人はいなかった…

感窮まって潤む瞳を隠すように、湯船のお湯をバシャっと顔に浴びる…
横で親父も同じように、顔を拭っていた…

「時期を見付けて、青山と三人で飲まなくちゃな…」
飛沫と共に立ち上がる親父の双玉は、熱で伸びていた…

親父のここで作られた"種"で産まれてきたかったぜ…
僕は心底そう思った…

「…ありがとう、やっぱり親父は親父だよ…血の繋がりなんて関係なくてもな…」
「言っただろ…礼なんていらないって…」
お互い、目頭が熱くなっていたのは明らかだった。

「まあでも、青山のことは悪く思わないでくれ。彼奴も、お前を見捨てるつもりはなかったはずだからな」
「わかってるよ」

そりゃあ10代やそこいらだったら、和彦さん始め、お袋や親父のことすら恨みもしたかもしれない…
でも僕はもう充分に歳を重ねていた。

湯面の上から股間を見下ろす…
男の大半は仮性包茎とは知らずに、親父に相談したあの頃が懐かしく甦る。

考えてみると…身籠ったお袋を愛し、腹の中の僕の父親になることを決断したあの頃の親父よりも、今の僕は歳上なんだ。

SNSでこの小説を紹介

年下の他のリレー小説

こちらから小説を探す