ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 205
「雪ちゃんからに決まってるだろ…昨日だって財布忘れたとか言って〜…」
「あっ昨日はホントに財布忘れたんです…それでたまたま…」
「梓とのデ―トの合間に,たまたまに雪ちゃんとヤッタのかよ?…」
「あ、…いえ、、ヤッたというよりも…ヤラレたって感じなんです!…」
啓くんはしどろもどろになりながら、泡にまみれた身体を僕に向けてくる…
「ふーん…やられた、か…雪ちゃんはそうは言ってはなかったけどね…」
「い、いえ、本当ですよ!」
「…声が大きいぞ」
「…僕、幼い頃にいろいろあって、女性恐怖症…に近かったんです」
啓くんは観念したのか、自分の過去について話してくれた。
それはほぼ、雪ちゃんから聞いた話しと相違は無かった…
違っていたとしたら、啓くんは今でも仕方なく雪ちゃんとヤッているのか?…
それとも雪ちゃんの言う通り、その逆なのか?
どちらにしろ僕にとっては、二人が今でも暇を見付けてはヤッていることに変わりは無く、こんな何も知らないような顔してやるもんだと…まじまじと啓くんの股間を見てしまう…
真面目そうな顔して、ここはやんちゃでいろいろとやってるんだな…
そんな啓くんの女性経験を想像しながら、風呂に肩まで浸かる。
「将来的には、あそこを出るってことも考えてたりする?」
「それは、あるかもしれません」
「いい選択肢の一つだと思うよ。僕も東京の大学に行ってたんだ」
洗い場より一段低なっている浴槽の為、啓くんのモノが尚更近く見えた。
「新しい生活への憧れはあるんすよ…どんな女の子と出会えるかの期待もあるし…」
君はそっちか…;
啓くんは皮を捲り下ろし、淡い頭に泡を塗す…
「まあ東京は人も多いから、可愛い子もこっちよかいっぱいいるけどな…」
「マジっすか〜?…僕、絶対東京行きますよ!」
啓くんは皮を伸ばしながら顔を高揚させていた。