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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 199

「お兄さん〜お邪魔してまぁす〜」
おっと啓くん…やっぱり来てたんですね…;
僕にとっては、君はちっとも可愛くはありませんがね

横に来て小声になる啓くん…
「なんかすみません、僕の部屋掃除してもらったみたいで…」
ああ、そんなこともしたっけかな…
「梓には内緒にしといて下さいね…僕の趣味…」

こうしてみると意外とかわいいやつかもしれない…?

「あぁ、当たり前だよ。こういうのは男同士の秘密ってやつだからね」
「ありがとうございます!」
…ま、ばれたときは覚悟してね。

啓くんがお泊りなら2人になったときにいろいろ聞きたいことがある。
…僕の事情を明かすわけではないが

「お父さん、今日は遅くなるってメールが来てた…葵はもうすぐ帰ってくるみたい」
お袋が携帯を見ながら言う。

親父が遅くなると聞いて、どこかホットする…
どんな顔していいか、分からないもんな…
まさか" 今までありがとうございました!"なんて、嫁入り前の女の子みたいなこと言える訳ないし…
かといって、知らんぷりするのも何か悪い気もするし…

まあ今夜は久しぶりに一緒に風呂に入ろう…
男同士2人っきりになれば、きっと素直な言葉を伝えられると思うしね…

親父が座る場所だけを空けて、みんなで夕食を囲む。
「いただきまーす」

家族みんなで食べる夕食は何よりも美味しい。
昨日の青山家での夕食に比べれば食材の質は劣るかもしれないけれど、あそこにはなかった暖かさと、みんなの笑顔があるんだ…
一人暮らしのころにはもちろんなかったし、学生時代の連れとドンチャン騒ぎした時にももちろんない。

まあ学生時代は野郎ばかりで、こんな華やかさは微塵も無かったけど、あれはあれで懐かしくもある。
リストラにあってからは気も引けて、連絡もしなくなった学生時代の友達たち…

久しぶりにあいつらと飲みてーな…

無職という状況は今だ何も変わってはいないのに、こう思えること自体、自分に余裕が出来たんだと思う。

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