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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 196

そんな親父と血のつながりがないということが、今となっては信じられないことだった。
大学進学のときは
「一度家を出て一人暮らしするのも悪くないぞ!」
と送り出してくれたっけ…

「いろんな話は、親父にしてきたからなぁ…」

それに比べ…本当の親父である和彦さんのことは何も知らないよな…

涼香さんの話だと、生真面目な人だと言っていた…
お袋の話しだと、封建的なところもあるらしい…
桜ちゃんの話しだと、執事の男を愛人にしていたとか…

そのどれもこれもが人伝いに聞いた話で、僕にとっては一緒に酒を酌み交わした昨晩の、かっこいい兄貴のような笑顔しか思い浮かばない…

和彦さんとはいったいどういう人なのか。
一度会って飲んだだけではつかみ取れるはずがない。
啓くん曰く仕事が忙しくてあまり家にいない人らしい。

「高校生の頃の和彦さんってどんな人だった?」
「うーん…かっこよかったから、女の子からはモテたわよ」
「へえ…」

「なにしろ、由緒正しい青山家の御嫡男でしょ。あの時分から別格的存在だったはね…」
「弥生さんがお袋と和彦さんの仲を取り持ったんだろ?…」
「ええ…話しを聞いた時は嬉しかったのよ…私みたいな貧乏人の娘は、それこそ口もきいて貰えない雲の上の存在だったんですもの…」


…貧乏人って
祖父ちゃんや祖母ちゃんも見てきたけど桜木家はごくごく普通の家庭じゃないですか。
まあ、青山家と比べるまでもないけどね。

「…まあ、お袋より僕のほうが気が引けてくるけど」
「どうして?」

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