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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 192

「…そんな気持ちは、全く湧かなかったな」
「そうか…」
「いくら望まない形でも、相手がそうだったとしても、命を摘み取るようなことは絶対しないよ」
お袋の瞳に、強い意志があった。

「大好きな人が、命の大切さを説いてくれたのに、そんなことするのはできなかった。弥生だって、匠との間に子供ができたら、きっと同じ気持ちのはずよ」

大好きな人…
それは親父なんだということは、聞かないでも分かった…

親父はそれを全部引き受け、淫乱教師という汚名を着せられた上に、自分の子供では無い僕を大切に育ててくれたんだ…

感謝してもしきれないほどの恩義と共に、親父の男としてのスケールのでかさを感じずにはいられない…


「ありがとう、お袋」
「ふふ、感謝するなら、私じゃなくてお父さんに言ってよ」
「もちろん、親父にも言うさ」
「教え子の責任は、自分の責任だって言って、匠のことも、私のことも一手に背負ってくれて、もう二十数年経つんだからね…」
「ああ…」

考えてみると、その頃大学出たでだった親父…
そこまで覚悟を決められたのは、やっぱりお袋を愛していたからなのだろう…
そう考えると、親父も和彦さん同様に、そうは女を知らないのかもしれないと思えた…
親父…
今まで女の数が多いければ多い程、どこか偉いような気がしていた自分を反省してしまう…


だいたいの話を聞いて、僕自身はそれなりに納得した。
「ねえ、匠」
「何?」
「弥生に、会うことって出来るかな…」
「まあ…無理ではないと思うけど、弥生さんも結構忙しいだろうし…」
「今回のお礼と、あのときのことを謝りたくて…弥生にも悪いことをしたと思って…」

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