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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 186

桜ちゃんは少し照れた顔をしながら、はにかんだ笑顔を見せてくれた。

杏さんや弥生さん、他のメイドちゃんたちにも挨拶したかったが、それぞれの仕事もあり、皆不在。仕方ないか。

「また、いつでも来てください。私も、匠さんのお家に行ってみたいです」
桜ちゃんが微笑んで言う。

香澄ちゃんは俯いたままだった…
そんな香澄ちゃんを見て、抱きしめたい欲求に駆られるが、僕はそれをぐっと堪えた…

「じゃ!また!…」
背を向け元気よく手を振った…
振り返るこは出来無かった…
香澄ちゃんの顔を見たら、溜めた涙が零れそうだった…

また会えるんだ、会えるんだから泣くなよ、と自分に言い聞かせても、それは無理だった。
…これが普通なのはわかっていても、一抹の寂しさは感じた…

―しかし、これからが、また始まりでもあるんだ。
そう言い聞かすと、次第に涙は収まった。

僕の家と香澄ちゃんの家は歩いてもそれほど距離はなかった。
これくらいなら、行き来は容易いかな…

…帰ってきた当初は気づかなかったが、家の向かい側、弥生さんが以前住んでいた家は跡形もなくなっていた。
家の門の前で、周りを見渡すとあの頃とはまったく違っていた。

初体験を迎えた弥生さんの家はもとより、自慰するにも妹たちの目が気になって、夜な夜な忍び出てやった公園すらも無くなっていた…

この地を離れたのは、つい昨日のことのように思っていたけど、思った以上に長い年月が経過していたんだということを、僕は思い知らされる…

切なさと寂しさを感じながら家に戻る。
家の中はいつも感じない静けさに包まれていた。

…それもそうか。
親父と葵は仕事で、栞と梓は学校に行ってるんだもんな…
改めて自分だけが異常?なのを感じた。

「あら、お帰り」
お袋が僕の帰宅に気づいてやってきた。

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