ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 184
頬をポッと赤く染めてこちらを見る桜ちゃん。
…そういうことを暗に言うんじゃありませんって。
「出来れば今度はお嬢様のいないところで〜とか〜」
何か妄想しだしましたし…
…あぁ、根がオタクだとこうなるのか…?
「匠さん、すいませんでしたぁあ!!!」
香澄ちゃんがそこに駆け込んできた。
…手にはあの僕のパンツが。
「これで、お許しくださいっ!!!!」
そして僕の前で土下座した。
紫さんから取り返してきたのか?…
香澄ちゃん…君って奴は…
「そんなことしないでいいよ…僕もきつく言い過ぎたよな…」
「そんなこと無いです〜考えも無しに、匠さんのを見たい気持ちだけに突っ走ってしまったのは私ですから…」
そこまで言われると、なんだかこんなことくらいに目くじら立ててしまった自分の方が、申し訳なくもなる…
現に、夢精したパンツを厚かましく洗って貰おうとした時点で、僕の方が間違っていたんだと思えてくる…
「ありがとう」
香澄ちゃんからパンツを返してもらう。
「で、お嬢様、結果は如何でした?」
「うふふ…それは桜ちゃんでも秘密です!」
香澄ちゃんはニコニコしながら言った。
…ホントにうまくいったのかね、別に知りたかないんですがね…
「匠さんは自分の顕微鏡で見たことあるんですか?…」
「ある訳無いだろ!!そんなもん!」
「あら、紫先生が言ってました。男子高校生は自分の見ようと、放課後何人かで科学実験室に忍び込む子がいるって…」
紫先生…そんなこと香澄ちゃんに教えないでいいですから…
…紫さんが教師になれなかったのが、ちょっと想像できた。
「そんなことしてどうするのさ」
「思春期男子はそうじゃないんです?」
「桜ちゃん…そんな漫画じゃないんだから」
香澄ちゃんの個人授業、いったいどんなことやっているんでしょうねえ…