ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 177
こういう表情も、堪らなく可愛いではないか…
香澄ちゃんやここのメイドちゃんたちみたいに、前面に可愛らしさを出している女の子とはまた違って、ちょっとした瞬間に見え隠れする杏さんの可愛いらしさにときめいてしまう…
「杏さんもしよかったら、今晩一緒に僕の家に行きませんか?」
杏さんは少し考えて
「…お誘いは嬉しいんですが、執事としてお嬢様の元を離れるわけにはいきませんし、今更お二人にお会いするのも不安が…」
と困っていて。
「ふああああ〜」
その会話は豪快な欠伸に遮られた。
誰かと思って振り向くと、まさかの桜ちゃんである。
「あ、御免なさい。お2人だけだったんでぇすね。」
顔を赤らめる桜ちゃん…
…やっぱり君は可愛いよ。
「今さっきまでソフィアと萌がいらしたんですよ。あの子たち今日は休みだから…」
口調が凛々しくなる杏さん…
…杏さんにとって、職場の人は気を許せない存在なんでしょうかね?
「ああ、そうでしたね…うぅぁあ…」
また大きな欠伸をする桜ちゃん。
…よっぽど寝不足なんでしょうか。
「お休みの前の夜は遅いんですねぇ」
「うっ」
ギクッ、と桜ちゃんが何か不味いことを思い出した顔になる。
「け、けして深夜アニメ三昧とかそういうわけじゃ」
「自分で言ってどうするんですか」
「あ、あーっ!?」
桜ちゃん…貴女結構、アレな方なんですね…
「そういえば、今日は紫先生の授業でしたのに、よかったの?…」
「あー忘れていました!…せっかくお嬢様が匠さんのパンツを手に入れたっていうのにぃー!」
「へぇ?僕のパンツって…どういうこと?…」
「何でも、遺伝子をたっぷり含んだ匠さんのパンツを紫先生に提出するっておっしゃていましたよ…」
…遺伝子をたっぷり含んだパンツ?…
ぐぅげぇ!?…
それって弥生さんを想い、あの朝パンツの中に夢精した…あのパンツのことかよぉ!?…