ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 166
まあ僕に心配を掛けないように、精一杯におどけて見せたんだろうけど…そんな気を使うことも無いのにな…
そう思いながらも、そういう香澄ちゃんがやっぱり可愛く思える…
「グラタン温っためたんだぜ!一緒に食おうぜ!…」
僕は香澄ちゃんに聞こえるように、声を張り上げた。
「はあ〜い、今行きますぅ〜」
バタバタと忙しなく着替えて、香澄ちゃんはテーブルに戻ってきた。
「あ、温め直してくれたんですね」
「あったかい方が美味しいしね。余計なことして冷ましちゃってごめんよ」
「余計なことなんてことは無いですよ。ああいうのも、経験してみたかったんですよ…」
「別に僕に気を使わなくてもいいよ…ああいうは、マニアックな行為だからな…」
「本当ですって…別に匠さんに気を使ってる訳じゃありませんよ…」
「そうなの?…香澄ちゃんは、ああいう所を使うセックス…誰かに聞いて知ってたの?…」
「ま、まあ、いろいろ…そういう動画を見ちゃったりとか」
…可愛い女の子がそういうの見る図って…
「雪ちゃんにもいろいろ教えてもらいました」
…雪ちゃん…
泡姫かキャバ嬢か知りませんが、そっちの世界にいた人は知識が豊富なんですかね…
「それで、雪ちゃんは何と…?」
「経験するのもいいかもって…」
「何でそんなことを…?」
「あの、それは…」
「言ってみたらいいさ…」
「それでは言いますけど…雪ちゃんは一樹さんのこと知ってまして…。」
あ、あの執事さんですか…
「自分が思いを寄せていた人がやっていたことを、体験するのもいいんじゃない?…って」