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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 158

「それりゃそうだよ。これだけ作ったんだから時間も掛かるさぁ」
「朝から重いかな?とも思ったんですけど…」
「そんなことない!朝にいっぱい食べる方が健康にもいいって言うし、実は夕べは緊張して、あんまし食えなかったんだよ…」
「そうだったんですか?…そんな風には見えなかったけど…」
「そう?…元々僕は営業職でも無かったし、人と話すの得意じゃなかったりするんだぜ…」
「その割りに…女の子とはすぐに仲良しになれるんでぇすぅねぇぇぇ〜」

…また痛いトコを突くねえ君は。
大学生の頃は悪友とつるんでナンパに精を出したこともありましたさ。
…ただ、それも数年前の話ですから。

…しかし、この雰囲気…まるで新婚夫婦のようだ。
なんだかドキドキしてくる。
…さて、どれから食べようかな…

血も滴るようなステーキから、見たことも無いような魚介類料理…
この時季によくあったものだと感心する松茸を使った和食から、色とりどりのソースのかかるフレンチまで、テーブルいっぱいに並ぶ料理はどれも涎もんだった。

「私ね…いろんな料理を食べてきたし…教えてくれた先生方も有名な人ばっかりだったんですけど…今までで一番美味しかったのは、匠さんのお母様の作られた料理なんです…」
「またまたぁ〜確かにお袋の作った料理は旨いけど、そんな有名な人たちには適わないでしょお〜」
「本当ですよ〜あんなに美味しい料理を毎日食べて育った匠さんは、本当に幸せ者ですぅ」

まあ、香澄ちゃんが言うことも一理あるかもしれない。
どんな高級ホテルやレストランの超一流シェフが作った料理よりも、自分の母親が作った料理のほうが、味を覚えている…なんて話を聞いた覚えがある。
今までは、それを当たり前のように感じていた。迂闊だったかもしれない。

「じゃあ、いただきます」
「はいどうぞ」
どれから食べようか迷うところだが、まずはあっさりと、色鮮やかな野菜サラダに箸を伸ばす。

口いっぱいに広がる旨味に感激せずにはいられなかった…
「もしかして、このマヨネーズも香澄ちゃんが…?」
「はい!裏庭の養鶏場から朝一番で取ってきた卵なんですよ〜」
養鶏場って…もうそんなことでは驚きませんって…

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