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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 154

「母屋に行って、皆に挨拶しないとな…」
「ご主人様はもうお出掛けになりましたよ…」
「しまった!!あんな御馳走になった上に泊めてまで貰っておきながら、挨拶も出来なかったのかよ…」
「大丈夫ですよ。ご主人様はそんなこと気にしませんよ…」
「そうかな?…普通、常識知らずの奴だと思うだろ?」
「この家の方々って…皆が考えるような“普通”とか…“常識”とか…そういったことに縛られることを嫌いますから…」

あ、ああ、そうなのか…
常識とかにとらわれない、そういう考えはありがたいと思うけど、この家柄というのもあるだろうし…

「涼香さんは?」
「奥様も早くに出て行かれまして…今週はお二人ともお忙しいみたいですね」
…うーん、そうなのか。
お互い忙しい同士、すれ違いも多そう、やはり仮面夫婦のような感じが拭えない。

「香澄ちゃんは?…」
「お嬢様でしたら、柏原さんがお目覚めになるのを、ずっと待っておいでですよ…」
やはり学校には行っていないのかな?…

「何も待っていることも無いのに…」
「そんなこと言ったら可哀相ですよ…『匠さんに私の作った朝食を食べさせたい』っておっしゃって、明け方から頑張っているんですよ…」

あ、明け方から…僕のためにそんな…
確かに、起きてから何も食べてないし、腹に何か入れておきたいとは思っていた。
…昨日の朝、一緒に朝ごはん作ったけど、香澄ちゃん手際よかったもんなぁ。

香澄ちゃんの健気な姿が思い浮かぶ。
「行きましょうか。お嬢様もお待ちでしょうし」
「そうだね」

まだ朝露が輝く芝の上を、僕は純ちゃんに続き歩いた…
昨晩は月を見ながら目的も無く歩いて来たせいで感じなかったが、母屋までの道は思ったよりも遠かった…

「結構距離あるんですよ…自転車で来ればよかったかしら?…」
「気にしないでいいよ…朝の散歩って気持ちいいさ…純ちゃんと一緒だと格別にね…」

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