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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 142

「ああ、涼香さんだって悪気があった訳じゃない…」
「そのことなんですけど…」
「ん?桜ちゃんどうした?」
「奥様をけしかけたのは…私なんです…」
「どうしてそんなことを?…」
「ご主人を怒らせれば、一樹さんはこの家にいられなくなると思って…」
「ちょっと待てよ、いくら涼香さんがその執事さんと関係を持ったからって、涼香は庭師やその息子の啓くんと関係してるって、和彦さんは知っているんだろ?…」
「あの二人と一樹さんは違いますよ…だって一樹さんはご主人様の…愛人だったんですもの…」

ええっ、そっちー!?
ってか、和彦さんも両刀だったの!?
…次から次に出てくる衝撃の事実に僕はついていけそうになくなる。

…この家庭、なんかすごい。
「…匠さん、驚かせてしまったらごめんなさい」
桜ちゃんが頭を下げる。
「…いや、いいよ。好き嫌いは人それぞれだから…」
…でも、これでは誰に責任があるのかまったくわからない。

香澄ちゃんのことを考えて、一樹さんを追い出そうとした桜ちゃんは、彼が自分の性癖で悩んでいるとでも言って、涼香さんに相談したんだろう…
それを聞いた涼香さんは、Mの啓くんの性を解放したように、一樹さんのことも放っておけなかった…
まあこの時涼香さんは、香澄ちゃんが一樹さんに思いを寄せていたのを知っていたのだから、もしかしたら一樹さんがちゃんと香澄ちゃんを"抱ける男"になれるようにと、願ってのことだったのかもしれない…

「…もしかして、僕、このことを知ったらまずかった?」
「いえ!とんでもない」
…それでなくても何か後ろめたさを感じるのだが。

「いずれはわかってしまうことなので、匠さんにも知っておいて欲しかったんですが…」
「そうなの…」

複雑な感情の縺れ合いとでも言うんでしょか?…
結局、一樹さんはこの家を出て行っのだから、桜ちゃんの思惑通り和彦さんは相当怒ったんだろう…
それでも和彦さんと涼香さんは、夕食の時にはあんなに仲良さそうに見えたのに…結局は仮面夫婦だったってことなんでしょうかね?…

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