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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 140

「でもさ…涼香さんだって"誰構わず"ってことでも無いんじゃないかな?」
僕は思わず涼香さんをフォローする…

「それはそうなのかもしれないのは、私にだって分かっています…
お母様にはその時々にちゃんとした理由があって…男の人と結ばれるのだって、仕方の無い部分もあるんだって…分かっているんです…」

ああそう言えば、啓くんの時だって頑な心を解放してあげたって言ってたよな…

「それでも…」
香澄ちゃんの声が、震えていくのに気づいた。

「お母様のその気持ちが、私には鬱陶しかった、目障りだった…お母様があんなことしなかったら、一樹さんは…っ、あ、うわあああああああ!!!…」
…香澄ちゃんが、大粒の涙を流して、泣き崩れた。

「…お嬢様、辛いことがあったんですね」
「…そうだね」
萌ちゃんは、香澄ちゃんと男の執事さんの関係は知らなかったようだ。
そして、香澄ちゃんは、その執事さんの名前、今も覚えているように、未練と、後ろめたさと、涼香さんへの恨みが、十分に感じられた…

やはり涼香さんの性の奔放さは敵を作るんだろうな…
きっと今までだって同じように鬱陶しがられ、疎んじられた経験は一度や二度じゃ無い筈だ…
それでもやっぱ、実の娘の香澄ちゃんに、こんな風に思われていることは辛いよな…
僕はどちらかというと、香澄ちゃんよりも涼香さんに同情してしまう…

「…お嬢様は、やはり、あの方のことをお思いだったのですね…」
「「!?」」

どこからともなく発せられたその声に、僕と萌ちゃんは驚いた。
「桜ちゃん…いつの間に」
「部屋の前を通りかかったらお嬢様が尋常じゃない状況だと思い…いきなり申し訳ありません」
そう言って頭を下げる桜ちゃん。
…ピンクの可愛らしい寝間着姿なのはこの際スルーしよう。

「言ってくだされば、あんなことにはなりませんでしたのに!」
へ?…あんなことって、どんなことなんですか?…
「ごめんなさいお嬢様…全て私…桜がいけなかったんですぅぅ…」
その場に泣き崩れる桜ちゃん…
えっ?…何?…何なの?
その一樹とか言う執事さんを挟んで、香澄ちゃんと涼香さんと桜ちゃんの間で、一体何があったっていうんだよ?…

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