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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 139

香澄ちゃんはその執事さんに恋心を抱いていた、しかしその想いをぶち壊してしまったのが誰あろう涼香さんだった…
…そのせいで香澄ちゃんはしばらく心を閉ざした。
涼香さんはそれに対して、自分に責任を感じ、今でもそれを引きずっている…

「でも、家で働いている人には男の人はいらないですかね。それで、嫉妬されたら私も困りますからね」
香澄ちゃんはニコッと笑ってそう言う。

嫉妬って…それって涼香さんのこと言ってるんだね?…
涼香さんは香澄ちゃんにそんな感情など抱く訳など無い。
それどころか執事さんとのことは、自己嫌悪に陥っているんだ…

香澄ちゃんと和彦さんの仲を心配していたけど、実のところ仲良さそうな母娘に見えている涼香さんと香澄ちゃんとの方が、傷は深いのかもしれない…

2人の仲がよろしくないとか、あまり考えたくないことだ。
それでも、過去にあった一人の男性をめぐることで、香澄ちゃんと涼香さんの間に一時期大きな溝が出来たのは紛れもない事実だ。
今は修復したように見えるんだけども…

僕は、香澄ちゃんに、カマをかけてみようと思った。
「香澄ちゃんさ」
「はい」
「僕に会う前に、好きになった男の人っている?」

「えっ?…いえ、…なかなか出会う機会とか無いですから…」
…やっぱり言いたく無いのかな?…
「前はここにも男のシェフとか、執事とか…いたんだろ?…」
「あ、はい…」
「その中で好きになった人とかいないの?…」
「ええ…私はお母様みたいに、誰構わず好きになったりはしませんから。」

…きっぱりと言い放つ香澄ちゃん。
ただ、僕には何かを隠しているように見えた。

そして、「お母様とは違って」という言葉。
自分と涼香さんを一緒にして欲しくない、そんな気持ちの表れのようだった。
…香澄ちゃん、やっぱり涼香さんとの方が、関係がよろしくないように思える…

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