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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 137

…お疲れだったかねえ…
思えば、香澄ちゃんだって家出して一週間ぶりくらいの自宅だろう。
ゆっくり慣れ親しんだベッドと枕で寝たいと思うはずだ。
(僕の家にいたときは連日栞と夜更かしだったしな…)

ガチャ
「匠さん、お入りください」
「…いいの?」
ドアから萌ちゃんが顔を覗かせ、僕を促す。

"うわあぁ…”
そのだだっ広さに声も漏れる…
どっかの国の教会みたいなド―ム天井の下に、なんかの映画でしか見たことのない、天蓋付きのベッドが置いてある…
「あれ?香澄ちゃんの部屋って…ベッドしか置いてないの?…」
「そうですよねぇ〜始め私も驚きましたぁ。実はここはお嬢様がお休みになるお部屋でして、ここ以外にもお嬢様がお勉強するお部屋、読者をなさるお部屋、それに物思いに耽られるお部屋なんかもありまして、このお屋敷の半分以上はお嬢様のお部屋だったりするんです…」

…それぞれ専用のお部屋があるんですか!
ってか、物思いに耽る部屋って何ですか!それって必要なの?
…ツッコミどころ満載だけど、それは置いといて…

…香澄ちゃんの姿はこの部屋にはなかった。
「いないね」
「別のお部屋ですねえ」
…とはいえ、専用ルームが幾つもある中で、どこにいるかなんてわかるのでしょうか。
香澄ちゃんがGPS搭載のものをつけていれば話は別ですが。

「困りましたね…」
ここでドラえもんのポケットみたいな位置についているフリフリのエプロンから、スマホでも徐にり出してくれれば、GPSの可能性もあったのだが、萌ちゃんはポケットに両手を突っ込み、途方に暮れるだけだった…

「仕方ないよ、待っていれば直ぐに戻ってくるんじゃないかな?…」
「ごめんなさい…私何のお役にも立てなくて…」
肩を落とす萌ちゃん…
おいおい、何も涙ぐむこと無いって…

…と、そこに
「あらー?匠さんと萌ちゃん、どうされたんですかあ?」
間の抜けた声をかけながら香澄ちゃんが部屋に入ってきた。

「香澄ちゃんこそ、どこに行ってたのさ」
「へへへへ、栞さんとゲームしてましたぁ」
「栞と、って…」
「ネット対戦していたんですよ〜」

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