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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 127

「あの、弥生さんとは…」
恐る恐る僕は和彦さんに尋ねた。

「うん、4,5年前くらいだったかな、仕事でフランスに出張に行ったとき、泊まったホテルの料理人をしてる彼女に偶然再会したんだ」
そのホテルって、当然超一流なのだろう。
そこに泊まる和彦さんもさることながら、そのホテルで料理を一手に引き受ける弥生さんの腕前も大したものである。

そんな腕を持っていたなんて、僕はちっとも知りはしなかったよな…
あの頃の弥生さんはずっと専業主婦で、厳格な旦那さんに監視されているような生活を送っていたもんな…
それでもって、子供に恵まれないことを姑さんに厭味を言われる日々で、ひどく参っていたんだ…


その厳格な旦那さんが種無しだとわかるのはかなり後になってから。
精神的に参っていた弥生さんは、僕に感情を思い切りぶつけ、そして身体の関係を持ってしまった…

「弥生さんと操さんは、常に一緒にいたくらい仲がよかったね」
和彦さんは懐かしそうに述懐する。
…あぁ、この人はその後の出来事を知らないんだな…

「弥生さんは、僕が操さんのことが好きだと知っていて、僕らの中を取り持ってくれたこともあったんだけどね…」

「そんなことがあったんですか…それで付き合ったりは?…
「ああ…何度かはデートもさせてもらってな…」
高校時代に和彦さんとそんなことがあったなんて、ちっとも知らなかったよな…

「実は僕は、今までに二人しか女性を知らないんだ…
一人は勿論妻である涼香と…もう一人は、君のお母さんである操さんなんだ…」

…運命とは恐ろしいもので。
お袋と和彦さんは、そこまで関係が深かったのか。
…和彦さんは昔のいい思い出のように語ってくれているけど、どうしてお袋と親父が和彦さんのことを語らないのかが不思議に思えてくる。

「操さんの息子である君と、香澄が惹かれあったのも、縁を感じるものだね」
和彦さんはしみじみと話す。

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