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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 1123

「そ、そう?ありがと…」
弥生さんは年上と思えない可愛らしい顔をして、僕を見つめた。
その姿に、心を撃ち抜かれた感覚がした。


しばらく無言の空間。
ソファーの隣に座ると、弥生さんが僕の肩に自分の身体を寄せ、もたれかかった。
ドキドキが止まらなくなる。

「弥生さん…」
「しばらく、こうさせて…」
弱弱しい言葉。
その肩は小刻みに震えていた。

憧れの人の涙を見て、いてもたってもいられなくなる…
僕はその弥生さんの肩をグッと抱き締めてしまう…

「ありがと…匠くんは優しいのね…」
鼻に掛かった掠れた声…そんな声聞かされると、こっちまで哀しくなってしまうじゃないか…

「弥生さんは悪くありません…僕はどんなことがあっても弥生さんの味方ですから…」

「ありがと…匠くん…」
弥生さんは僕の背中に手を回し、ギュッと抱き締め、堪えることなく嗚咽を漏らす。
そんな姿を見て、僕はなんだかやるせない気持ちを抱いた。

こんな弱った弥生さんなんて見たくないのに…

顔を上げた弥生さんが僕を見つめる。
涙に濡れた顔。
何も考えず弥生さんと唇を重ねる。

キスの経験は無くはなかった…
この年代の男子ありがちな練習…
この時の為に、宏に練習台になって貰ったことはあったのだ…

だけど弥生さんの唇は宏のそれとあまりにも違った…

“これが女の人の唇なんだ…”

ただ唇を合わせただけで、僕はえらく感動してしまう…

「匠くん、こういうの初めて?」
涙に濡れた顔をしながら弥生さんが尋ねる。
「はい…」
「匠くんの初めて、思い出にできそうになくて、ごめん…」
「そんなことないです」
もう一度弥生さんとキス…今度はもっと長く。

「匠くん、私の、痛み、少しでもいいから、忘れさせて」

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