ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 1076
それにしてもアイツは美玲ちゃんとは別れたってことなんだろか?…
上手くいってはいないとは聞いているけど、ちゃんと別れたとは聞いて無いもんな…
ちらっと美玲ちゃんのデスクに目をやる…
それに気づいた美玲ちゃんは、僕に向けニッコリと微笑み返してくれた。
隣に葉月ちゃんがカバンを置いて席につく。
「おはよう、葉月ちゃん」
「おはようございます。すいません遅れちゃって」
「いや、今朝のは仕方ないでしょ、連絡したら逆にゆっくり出社していいんじゃない?」
「あはは…まあそうですよね」
誰が来ているのか首を伸ばし確認する葉月ちゃん…
僕は葉月ちゃんに向かい小さく手を振る…
「あらぁ匠さんは大丈夫だったんですね…匠さんこそ遅れて来るとばっかり…」
「へへぇ、僕は日頃の行いがいいからね…」
いいのか悪いのか、ホントはどっちなのかわかんないんだけどね。
僕はお休みの夏子さんが作る予定だった会議用資料を作成していく。
「葉月、ちょっといい?」
「はぁいっ」
沙織ちゃんが葉月ちゃんを呼ぶ。
おそらく今夜の予定を聞いているのだろう。
沙織ちゃんに感謝しないといけない、僕も思い切って本音を明かさないとダメだな。
でも沙織ちゃんや葉月ちゃんにお袋と新庄のことを話せたとしても、これを美玲ちゃんに聞かせるのはちょっと酷かもしれないよな…
本当に新庄とは別れていたとしても、その別れた原因は、お袋の存在があったから…ってことも充分に考えられるしな…