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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 107

…とはいえ、自分が男相手でも付き合えるかと聞かれると、それは即、はいと言えることはできないけど…
「匠さんも男の方とお付き合いすると世界観変わりますよ?」
「いや、それはね…」
純ちゃんはそう言いますが…

「純はそっち方面の薄い本を書いてた人だからね…」
舞ちゃんが苦笑いする。
…ははあ…

腐女子とかBLとか…僕だって知らない訳では無かった。
でもそれは女性が思い描く空想の世界だけで、現実の男とは掛け離れていることも分かっていた。

「僕は純ちゃんが思っているような男じゃないよ…」
決してイケメンとは言えない自分の顔を思い浮かべ、僕は頭をかいた。

「そうですか?匠さんは素敵な男性だと思いますよ?」
にこやかに話す純ちゃん。
両隣で舞ちゃんと弥生さんがうんうんと頷く。
…お世辞だとしても嬉しいことはあるものだが。

―そのとき
グギャギャギャギャギャ
「な、何だ?」
すさまじい機械のような音、それと同時に小石や砂利がバラバラと飛び散る音もする。

「あー…桜ちゃんのお帰りね…」
弥生さんが苦笑いする。
杏さんとは対照的に、桜ちゃんの運転は荒っぽいようで…

「桜さんが運転する車に同乗するのは、命がけなんですよ…」
舞ちゃんは眉間に皺を寄せ、いかにも困ったようなしかめた表情を作る。
…そんな顔しても、やっぱり君って可愛いよ…

「まだ慣れてないんだろ?…始めは皆、あんなもんさ…」
「分かってないなー、桜さんは慣れてないと言うよりスピード狂なのよぉ」
言いながら僕の肩をポンポンと叩く純ちゃん…
君って…他のメイドちゃんとは、やっぱ違うよね…

しばらくして
「ただいま帰りましたぁー…あ、匠さんもお目覚めになりましたか」
ニヤリと笑う桜ちゃん…なんなんすか。

「しかし桜ちゃん、そういう格好もするのね」
「さすがに外出にメイド服はないですよ」
黒のニット棒に茶色のジャケットに濃青のジーンズ。
いかにもオシャレな最近の女の子って感じだ。

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