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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 106

どうして?…といったように首を傾げる舞ちゃん。

その横から弥生さんがゆっくりとした口調で口を開く。
「匠くんはまだ若いんですもの、きっと自分のやりたい仕事が見つかる筈よ。」
「そう言ってもらえると嬉しいです。でももうそんな若くは無いんですよ。」
「あら?私が後ろ髪引かれる思いで匠くんとさよならして、フランスに旅立ったのは、今の匠くんよりもずっと上よ…」
「そ、そうですよね…」
僕は励まされたことよりも、僕との別れが{後ろ髪引かれる思い…}と言ってくれたことが嬉しかった。

離れでちょっとしたティータイムを過ごしている僕たちのところに
「あっ、ここにいたんですね」
同じくメイドの純ちゃんだった。
「純もこっちおいでよ。弥生さんのお菓子あるよー」
「う、うん、いいけど、ソフィアは…?」

「お*く*さ*ま*…と…!」
舞ちゃんは頬を上げながら、これ以上ないというぐらいにニヤついた顔つきで言った。

「へぇ〜そうなんだー…私はてっきり奥様に柏原さんがやられているかとばかり思ったはよ。」
…やられるって…本人目の前にして…
純ちゃんって見た目と違って、かなり裁けた人のようですね…

「…なんか当たり前みたいな感じ?」
ちょっと2人に尋ねてみる。
「…まあ、そんなところはありますね」
「でも、嫌なわけじゃあないですよ?」
苦笑いする純ちゃんと明るく答える舞ちゃん。
…そりゃね、愛し愛されているわけだから当然だよね。

香澄ちゃんと出会う前までは、女同士で愛し合う人とは会ったこともなく、そういう人たちをどこか好気な目で見ていた感はあったと思う。
それが香澄ちゃんと知り合って、こんなにも沢山のレズビアンと呼ばれる人たちに出会い、涼香さんのように、男とも女とも関係を持てるバイセクシャルな人とも出会い、僕は愛の奥深さを改めて考えさせられた。

『当たり前みたいな感じ?…』
自分の言った言葉が心の中で反復した。
人を愛することに性別のこだわりだとか…結婚しているからとかのモラルなんて、本当は無いのが当たり前なのかもしれない…よな。

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