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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 105

「うふふ…でもいいもの見せてもらっちゃった」
…ニコニコ笑う弥生さん…あの頃と変わらない笑顔が今はむしろ怖い。

「…でも、弥生さんは、どうして匠さんと別れたりしたんです?」
舞ちゃんが尋ねる。
「旦那さんが転勤って言ってましたよね?確か…」
「うん…あの時は確かにそう言った。でもごめんね、あれ、実は嘘だったの…」
表情を変えずに、弥生さんは告げた。

「え?!そうなんですかぁ?!」
僕は思ってもいなかったことを今さらに聞かされ、心臓が飛び出るほどの衝撃を受けた。

それは確かに10年も前の話しだとはいえ、僕にとっては今でも夢にまで出てき、今朝などはそれによって夢精までしてしまった程の鮮明な記憶だったのだ。

「じゃ、じゃあ、なんで…」
「フランスへ行ったのは、私の意志なの。昔からの夢をかなえたくて、旦那と離婚までして、いい歳して自分勝手だったけど」
「そこで、椿ちゃんを」
「椿の父親は、フランスで私を教えてくれた師匠なの。いろいろ教えてもらううちに、彼のことを愛してしまったのね」

「そ、そうだったんですかぁ〜いろいろ教えて貰ったてぇフランス人は手も早いなぁ〜」
僕は動揺を隠すように、わざとおちゃらけて見せた。
自分の中では、弥生さんのようには割り切れてはいなかったのだと痛感する…
心のどこかで僕は、いつも弥生さんとのあの日々を追い求め、違う子と寝ていてもどこか弥生さんとのセックスと比べていたのだ…

「匠くんは、今、お仕事何してるの?」
「いや、それが…」
言いづらかったが、弥生さんに嘘はつけなかった。

「そうなの…それも仕方ないね」
「まあ…」
「人生、いろいろあるんだもの。私もここまで遠回りしてきたけど、今は楽しいから。匠くんも、そのうちきっと何とかなるよ」
「そうですね」

僕と弥生さんのやり取りを聞いて、いてもたってもいられなくなったのか、舞ちゃんは
「あの…ご主人様か、奥様に頼めば、匠さんのお仕事、斡旋できるかもしれませんが…」
「うん、ありがとう。でも、その心遣いだけにしとくよ」

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