ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 1029
「うちの健康診断って、女性の…」
「はい、いますよ。というか女性がほとんどでしょうかね。社員も女性の方が多いので」
…それはちょっとなぁ。まだ外部任せの方が良かった。
「きっと素敵だと思われるに違いないですよ」
「…そうかなぁ」
気が重いけど、これも仕事の内と割り切るしかないよな;…
「それはそうと…何か話しがあったんじゃないのか?…」
健康診断の話しをする為に誘ってくれた訳じゃないよな…
「はい…こんなこと匠さんにしか相談出来なくて…」
急に小声になる葉月ちゃん。
どうも周りの空気を気にしだしたのが、不自然だ。
「どうしたの?相談があるならはっきりと」
「あの…ここで話すの、あ、近い…」
「??」
葉月ちゃんの視線はカウンターの板前に。さては、まさか。
「あの彼のことが気になってるのか」
「はい…」
図星って訳か;…
それでこの店に連れて来たってことなんだな…
「なかなか感じのいい男なんじゃないか?…それになんと言ってもイケメンだし…」
まあ倍率は高そうだけどね…
「よかったぁ…匠さんにそう言って貰えると、なんだか俄然ヤル気が出てきましたぁ…」
葉月ちゃんの瞳に、今まで見えてこなかった熱意がわいてくるのが見える。
いや、これが本来の姿なのかもしれないな。
普段は控えめで後ろに立つことが多い子でも、内に秘めたものはかなりあるって。そんな子はいくらでもいるはずで。
「僕も応援するよ」
「ありがとうございます!」
まあ、葉月ちゃんの弾けるボディを堪能できる日は遠のいちゃうけどね…
「匠さん、私をもっとできる女にするため…今夜は…」