ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 1002
「学校でそういうことは教えないんですか?…確か僕の時には、男女分かれてのそういう授業があったような…?」
「ああメシベとオシベってアレだろ?…性教育の授業なら僕の時もあったぜ…」
大地さんまで夏子さんの顔を覗き込む…
「それなら今だってちゃんとあるみたいよ…だけどその前に、子供だって携帯弄れば何でも見れちゃう時代だし…」
まあそうだな…ただ冬美ちゃんがそういうのを見るとは考えられないし、もしそうだとしたら彼氏の方か…
「で、冬美ちゃんはもうやったってわけか」
「そんなの聞けるわけないでしょ…」
冬美ちゃんの性格を考えたらなぁ。それに相手はどんな男なのかなぁ。
大地さんが出来上がったラーメンを持ってきてくれる。
夏子さんもため息をつきながら箸を手に取る。
「いただきます…」と言って手を合わせる夏子さん…
僕も見よう見まねでそれに続いた…
「ごちそうさまでした…めちゃくちゃ美味かったです…」
僕はつゆまで残すことなくすっかりと飲み干した。
「そこまで綺麗に完食してくれると嬉しいな…」
大地さんは汗を掻いた僕におしぼりを差し出してくれる。
「いやぁ、久しぶりに美味しいラーメン屋を見つけられたなぁって」
「そう言ってくれると嬉しいねぇ」
夏子さんも僕らを見ながら微笑んでいた。
昼の始業時間を前に夏子さんと一緒に車で会社まで戻る。
「ごちそうさまです」
「いいお店だったでしょ」
「はい。個人的にも利用させて貰いますよ…」
「是非そうして上げて…よかったら妹さんたちにも宣伝しておいてよ…」
ああ妹たちか…あいつらだったら友達も多いからいい宣伝になるよな。
「それゃあもう…大地さんはイケメンだから、そっちの意味でも喜ぶんじゃないかな?…」