ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 1001
話の内容が曖昧過ぎて僕には何がなんだかさっぱりわからない。
冬美ちゃんは確かにあの年齢では十分大人びてると思うけど…身体なんか不覚にも興奮しちゃったし…
「匠くんは冬美と会ってるもんね」
「ええ、それが何か…」
「あの後、冬美に彼氏ができたの」
「ほぉ〜それはそれは…」
最近の子供の早熟さに感心してしまう…
「でも彼氏と言っても、友達と大して変わらないんじゃないですか?…」
いくら冬美ちゃんの身体が成長しているからって、相手は毛も生えていない少年に過ぎないだろうし…
「そうだといいんだけど…なかなか現実は難しいは…」
夏子さんはお冷を一口飲んでため息をつく。
心配する母の気持ち、十分わかる。
うちのお袋だって何度も経験してきたことだろう。しかも三姉妹だし…
「まあやりたい盛りだしなぁ」
「冬美の成長が早いのはそのせいかもしれないわよね」
「おい、自分が遅かったからって、そうひがむなぁ…」
話しに割って入ってくる大地さん…
サービスだろう、小皿に盛ったチャーシューを僕の前に差し出してくれる…
「あっ、すいませ…」
「何よ遅いって…?」
僕のお礼の言葉は、夏子さんの声に掻き消される…
大地さんは気にする様子もない。
「まあお互い様だけどな」
「今と昔じゃ時代が違うのかしらねぇ」
きっとお互いに初めてのお相手同士だったわけだな。
そのほうが健全でいいような気がする。
僕の場合はね…でも、それがあって今があるんだから…
「お互いに理解しあわないとね…お勉強が必要じゃないかしら?」