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磁石
官能リレー小説 - 純愛

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磁石 7

こんなだったから、互いに身体の関係が遠のくも無理はなかったのだと、啓太は今更にして分かった。
千佳と寝ることを、どこか恋人同士の義務のように感じていたのも確かだった。
こんな思いをするぐらいならば、一人で自慰に耽っていた方がよっぽど気楽だと思っていた。

草食と言われる今の男たちも、セクッスレスの恋人同士の男だって、男は必ず自慰はしているのだ。
そんな問題視されている男たちと、自分も何ら変わりは無かったのだと、啓太は今更にして後悔した。

もっと千佳と寝ておけばよかった・・・
もっと千佳を悦ばせ、インスタントセック○で甘んじる事なく、自分自身も楽しんでおけばよかった・・・
クン○・・フェ○・・騎乗位・・松葉崩し・・駅弁スタイル
もっとセックスを楽しんでおけば・・・よかった・・・

啓太は亜衣の存在も忘れ、ただただ自分の腑甲斐無さを悔やんでいた。

千佳に会いたい。心底そう思った。
なぜ別の男と…。悶え、果てる見たこともない千佳の姿を想像し、嫉妬と憎悪から、目の前の女体が、女神にすら見える。

気がついた時は、亜衣を再び抱き締めていた。

「“・・ち・・”・・・・・・亜衣・・・」
思わず溢れそうになった千佳の名前を飲み込み、
啓太は腕の力を強めた。

「啓太君・・・」
亜衣は身体を硬くし、如何にも経験浅い乙女かのように、声を震わせた。

腕の中で緊張している"女の身体"が、啓太の身体に直に伝わってくる。
密着された太腿・・・押しつぶされた胸の膨らみ・・・
そして陰部の恥骨・・・

当然にピクリと反応を表し始める自身を、亜衣に気付かれまいと啓太は腰を引くが、
亜衣の腕が啓太の背に周り、掻きむしるような指先に強く抱き締められると、
その腰も自然と戻らざるおえなかった。

亜衣はできるだけ自分を抑えていた。
啓太に限らず男というものは、長けた女を嫌うことを知っていた。
どんなに女性進出が進んだところで、男はどこかで相手の処女性を求めることも分かっていた。

それでも啓太が腰を引いた時には躊躇はしなかった。
やっとの思いでなびかせたその昂りを、ここで萎えさせたら今晩はもう無いと思えた。

指を開き、その先に力をこめた。
その触手を次第に下ろし、双丘に触れた瞬間に、啓太の尻がキュッと引き締まるのが分かった。
それでも亜衣は離すことはしなかった。
その丘を引き寄せるように自身の陰部に誘った。

トクトクと脈打つ啓太の硬い昂りが、亜衣の膣に宛てがわれた。

上目使いで見上げる啓太は、少年のように顔を赤らめていた。

「慣れてるの?」湿り気を帯びた啓太の声が亜衣の耳朶を掠めた。

亜衣は幼児のように首をブルブルと横に振り、視線を落とし、恥じたように小さく言った。

「始めてなの・・・」

その言葉に嘘偽りはなかった。
テクニックはあっても満たされない想い。
好きな人に抱かれたのは初めてだった。

お互いが裸に
生まれたままの姿になるのにそうは時間はかからなかった。

生身の身体と身体。お互いの肌だけがふたりの妨げとなっていた。
自らの服を剥ぎ取り、亜衣の純真無垢な制服を、下着を剥ぎ取り、
啓太の下腹部は、けたたましく聳え立つ。

沈めたい・・・

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