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磁石
官能リレー小説 - 純愛

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磁石 6


亜衣は、啓太に似たぬくもりをずっと探していた。ふたりのセックスをのぞいてしまったこともある。
その時、啓太への自分の気持ちに気が付いた。

それから疑似恋愛を繰り返した。同級生・・・先輩・・・今考えると、
そういうとこお姉ちゃんに似ているんだなっておもう
求めるものは啓太だけなのに、それに応えてもらえないお姉ちゃんの気持ちは痛い程分かった。

それでいて亜衣は啓太が欲しかった。
クローゼットから隠れ見た、啓太の引き締まった胸を・・あのガッシリと逞しく鍛えられた尻を・・
そして、恥じているであろう、あの陰茎を・・
お姉ちゃんのものである啓太を、亜衣は自分に振り向かせたかったのだ。

その思いは、お姉ちゃんが啓太に逆プロポーズしたのを知って、増々募っていった。
そんな中で、啓太がバイト先の女の子と浮気していると、デマを流したのは亜衣であったし、
啓太の拙い性技に満足のいっていないお姉ちゃんに、長けた男を紹介したのは亜衣だった。

その男が上手いのは、亜衣が自らをもって実正済みだった。
まさかお姉ちゃんが、子を宿すなどとは想定外ではあったが、
それでも、軽いと思っていたその男が、実のところは結婚願望が強く、
お姉ちゃんに真面目にプロポーズしたことで、亜衣は胸を撫で下ろした。
今考えると、お姉ちゃんには啓太よりもあの男の方が、お似合いであったのだと、心底思えた。

お姉ちゃんが退いた今、亜衣にとって啓太へと向かう障害は何もなくなった。
未熟だというその啓太の性技を、あの粗末とも言える啓太の陰茎を、
亜衣は一刻も早く、自分のものにしたかった。

その欲望を成し得るために、2人の思い出の公園に啓太を呼び出した・・
持った折畳み傘を出すこともせず、制服を雨に濡らした・・
車中では、雨水に透けたブラウスを身体に張り付け、太ももを露にし、啓太をその若さで思いっきりに誘った・・
それでも、恥じることは忘れずにその行為を中段させ、そんな啓太の好きな女を演じてもみた・・

計画通りにことは進んでいた。
啓太の部屋に来て、衝撃の真実を伝える・・・
お姉ちゃんにできた別の男・・・そしてその男の子供を孕んお姉ちゃん・・・
そして何よりも、啓太の性技が拙く、未熟であるという、男としてのプライドを最も傷付ける言葉をぶつけ、
今、亜衣の目の前の啓太は、小動物のごとく弱い存在と化していた。



(「女にもね・・・性欲はあるのよ・・・」)
亜衣に言われたその言葉は、啓太に痛く突き刺さっていた。

千佳だけ、1人の女しか知らない経験の中だけでも、啓太は自分の拙さは感じていた。
行為中において、千佳を女の極みに誘うことが出来なかったのだ・・ただの1度として・・

その事を気にしない訳では無かったが、それも回を重ねるうちにそれが当たり前のこととなり、
敢えてその努力は忘れ、自分の快楽だけに・・射精を求める、ただそれだけに陶酔していた気がした。

考えてみると、付き合い出してからの後半は、互いに全裸になっての行為すらしていなかった。
慌ただしくブラを託し上げ、パンティーを膝までずらす・・
啓太とてパンツを脱ぐことなく男性器だけを前立てから取り出し、晒された千佳の女性器にそれを挿入する・・
こんな、色気も無い・・
ただの精液の捌け口として、啓太は千佳の、女の身体を利用していたのかもしれなかった。

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