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人生、いくらでもやり直せるさ
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人生、いくらでもやり直せるさ 24

彼女にはお兄さんが居ると言う話だし、もしかすればこれで平穏が訪れるかもしれない。
そうなった方が多分彼女にとっては幸せだろう。

本当に名残惜しそうな彼女を諭して下ろし走り去る。
あえてバックミラーは見なかった。
ふと気づくと涙が出ていた。
俺にとっても、彼女との出会いは大きな事だったんだろう。

不意に元妻と娘を思い出した。
無性に会いたい・・・
会えば大変な事になるだろうが、無性に会いたくなったのは愛花ちゃんと別れた寂しさからかもしれない。

自分でも抑えが効かない事に何故か笑えてしまう。
こんな女々しい男だから寝取られたんだと嘲笑う声が聞こえてくるようだった。



そこから数日。
俺はとあるホテルに居た。
愛花ちゃんからは連絡は無い。
ニュースの続報も無いので母親が罪に問われているのかも分からないが、上手くいってると思いたい。
そして俺は、愛花ちゃんのロスが相当響いたらしく、知らぬ間に故郷に近付いてしまっていた。
その上、故郷唯一の親友に『その後何も変化は無いか?』なんてメッセージ送ってる辺りも、自分で笑えるぐらい女々しい。

もちろん、「お前は今何やってるんだ?」とも聞かれる。
そのたびに適当に受け流すが、親友は「お前は簡単には死なないだろうと思ってるよ」と言われる。
まあ実際、自分でもそうだと思っている。
一人でいるのも悪くはないがな…


「ふあああああぁあああぁっ、あああぁああんぁああー」

その日の夜、ホテルの隣部屋が騒がしかった。
若い女の子のアレの声が物凄く大きい。
ただ、部屋からはその彼女の声しかしない。

こんな所でこんな声を出すとかヤバい奴に違いない。
ホテルに部屋を変えてもらう手もあるが、むしろ余計に眠れぬと思った俺はチェクアウトして夜の町へと車を走らせた。
殆ど何も考えずと言うか、余計に刺激された感情のままに走らせ、ふと車を止める。

「何やってんだ俺・・・」

そこは良く知る所。
故郷まで数キロしか無い、よく訪れた公園近くまで来ていたのだ。

自分の立場は分かっている筈だ。
故郷にとって俺は犯罪者と同じような存在だ。
親友以外の誰にも歓迎されない。
その親友すら迷惑がかかるから関わって来なかったのだ。
だが、そんな立場なのにここに戻ってきてしまった。
無性に元妻と娘に会いたかった。

暫くハンドルに頭を付け心を落ち着かせる。
ここに来ては駄目なのだ。
そう言い聞かせる。


そんな俺の携帯が鳴る。
電話なんて半年かかって来なかった携帯にだ。
愛花ちゃんかと思い見ると公衆電話・・・
恐る恐るとってみる。

「もしもし・・・」
「あっ・・・」

小さな声。
聞き覚えがあった。

「茜かっ?!茜なのかっ?!」

久々に娘の名が口に出る。
会いたかった娘の名を・・・

「パパ・・・」

やはり娘だった。
涙が勝手に溢れてくる。

「来て・・・助けて・・・パパ・・・」
「どこだ?!すぐ行くっ!どこだっ!!」
「◯◯公園の側・・・」

それは今俺の居る所・・・
慌てて車から出る。
公衆電話・・・
確か少し行った所にある筈だ。

俺はそこまで走った。
直ぐに公衆電話が見えたが人影は無い。

「パパ?・・・」

近くの茂みからの声にそこに分け入ってみる。
すると、そこに人が居た。

「茜っ!・・・真由美っ!」

そこに居たのは娘だけでなく、元妻もいた。
しかも2人共全裸で抱き合っていた。

「大丈夫かっ?!」

久々の再会だからどうとかではなくいきなりの修羅場。
思わず2人を抱きしめてしまったが、その身体は冷え切っていた。
2人共身震いしながら抱き合っていた。

周囲を見るが服が見当たらない。
どう言う事か聞きたいが、そう言ってる場合ではない。

「大丈夫か?動けるかっ?」
「余り・・・大丈夫じゃないの・・・」

涙を浮かべながら元妻、真由美が言う。

そして、2人が少し身を離す。
真由美の大ぶりスイカのような乳と茜の少し見ぬ間に更に成長したたわわなメロンの間・・・
2人の乳首にピアスが付けられ、それが南京錠で留められていたのだ。

「鍵はっ?!」
「無いのっ!捨てられたのっ!」

暗闇で全く分からない。
探すのは無理だ。
恐らくさっきの電話も2人で抱き合いながら何とかしたのだろう。
ここから公衆電話までは数メートルしかない。

「少し待っててくれ!」

そう言って一旦茂みから出て車に走る。
そして車を近くまで持ってきて2人を乗せる。
愛花ちゃんと別れてからレンタカーをSUVに変えていたから後部座席が広いのが幸いした。
とりあえず車中泊用の毛布を2人にかけると、2人共ホッとした様子ですすり泣く。
俺はひたすら2人が落ち着くのを待った。

「あなた・・・」
「パパ・・・」
「当然だ、家族だからな」

こんな気持ちを取り戻したのは愛花ちゃんのお陰だ。
それとホテルの変態女にも心の中で礼を言っておく。

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