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絶海の彼方で
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絶海の彼方で 7


「あ、でもさ、他にも漂着した人や漂着物はあるかもしれない。それにこの島、食べ物はたくさんあるから、ある意味ではキャンプリゾートと思ってもいいんじゃないかな?」
「……そうよね。何かしないと、前に進めないよね」
「ああ。俺もできるだけの事はする」

こんなかわいい娘と一緒なんだ。頑張らなくっちゃな。

「でも……最初の時みたいな無理やりは絶対許さないんだからねっ!」
「う…あれは本当に悪かった。ごめん」

やや俯き加減ではあるが、しっかりと釘を刺された。
蘇生できたからってレイプはだめだよな。肝に銘じておこう。

「よろしい」
「じゃあ、何か無いか、探してみよう」
「ええ」

頷いてはっとするほど、可愛く微笑んだ美月ちゃんだった。
こうして、俺たちは何か流れ着いていないか探し始めた。
俺の居た海岸は、俺自身毎日何か漂着してないか探してた。

「きゃああ!!!」
「どうした!!」

少し離れたところで探してた、美月ちゃんの叫び声。
俺は慌てて駆け付けた。

「こ、これ……」

歯の根も合わないほど震えた声。明らかに震えた手で指さしているのは、漂着した、ひとのなきがら。
両足が途中から切断され、他にも傷口があった。失血死か水死か爆死かはわからないが、惨いものだ。
見た感じ白人男性で、制服ではないところを見ると俺達と一緒に乗っていた乗客だろう。
既に腐敗が始まり、土左衛門になりかけている。美月ちゃんが震えても当然だ。俺だって恐ろしい。良く自分が無傷で放り出されたもんだと思う。
真っ青な顔になって、美月ちゃんは目を離すこともできず震えていた。
気づいた時には、彼女の視界を奪うような形で抱きしめていた。

「あまり見ない方がいい」
「ええ……」

美月ちゃんは俺の腕の中で、なんとかそれだけを言って頷いた。まだ震えている。
俺らも危うくこうなるところだったんだと思うと、俺の背中にも冷や汗が流れている。

「落ち着いて、彼は残念だったが、俺たちはこうして無事なんだ。俺がついてる」
「うん……」

俺はしばらく、美月ちゃんを抱いて、何とか落ち着かせた。

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