撮ってヤル。 28
2人、時々息の合った軽快なステップを見せながら、どこかで聞き覚えのある曲を歌う。
(あとで、CMにも使われている曲だと知る)
観客席からは拍手とコールが鳴りやまない。
ステージ上を駆け回る彼女たち。衣装の上からでも大きな胸が激しく波打っているのがわかって、少し股間には悪いような気も。
さらに彼女たちは3曲ほど披露して大盛況の中でライブは終了する。
“もし、あの二人に、近づくなら、今しかない”
俺はステージ裏に走った。
「すみません、関係者以外立入禁止です」
学園祭スタッフの腕章を着けた女子に制止される…
うーん、こんな使い方は、あまりしたくないんだが、俺はその子に従う素振りを見せながらそっと写真を撮った。
そしてデータを見るより前にSlave度をある程度上げた。
「あ、ちょっと、通してくれないかな」
「あっ、はい。どうぞ」
効果があったのか、すんなりと通してくれる。
結構可愛い子だったので、ちょっとプロフィールも確認しておく。
『井口真彩 20歳 愛野学園大2年 Eカップ』
結構胸もあった……覚えてたらこの子も…
いや、今はそれよりも、アイドルの2人だ。
俺は控室まで急いだ。
控室はすぐに分かった。俺は軽くノックをして中から返事がないうちに控室の扉を開けた。
特にカギなどはかかっていなかった。
「どなたですか!」
星島さんと宇草さんはまだステージの時の衣装のまま奥の方に座っていた。一人の女性が立ち上がって、そう言って俺の方に来た。
この人もスマホで撮らないとかな、と身構えたが、星島さんが言った。
「あ、この方、手伝ってくれる人なんです」
そう言ってくれたので、俺は制止されず控室に入れてもらえた。
さらに宇草さんが
「私たちと、彼と3人だけにしてくれません?」
と言って、先程のスタッフらしき人を部屋から出す。
こうして控室の中はアイドル2人と俺だけの空間になる。