撮ってヤル。 27
高木さんと偶然目が合う。高木さんはこちらに気づくとこちらに近づいてくる。
「金森さんの知り合いなの?」
「はい」
「ちょっと借りていい?」
「え、ええ」
高木さんは俺の前に来た。
「あの、おめでとうございます」
「ありがとう」
落ち着いているけど、少し感極まった跡のようなものを感じる。
柔らかな笑顔と、ふくよかな胸が…
「お名前は?」
「えっと、三木……三木龍一です」
「ふふっ、カッコいいわね」
どんどん接近してくる高木さん。
豊かな胸がこちらに押し付けられてくる。
そして、高木さんは俺にそっと耳打ちする。
「これから祝賀会行かなきゃなんだけど、後で会いたいな、ねえ、ID交換しよう」
そうして、俺は高木さんとメッセージアプリのIDを交換して、高木さんは俺から離れた。
美咲ちゃんも祝賀会に行くようで、俺と目が合うと、軽く手を振った。
俺はステージの前に戻る。
ステージ前はさっきより賑わっている。
このステージの最後、アイドルグループRosesの二人のステージが、もうすぐ始まる。
観客席の方はまだいっぱいに埋まっている。楽しそうな声が聞こえてくる。2人とステージMCとのトークが繰り広げられていた。
ミスコンファイナリストの皆も美人だが、アイドルの2人はそれとはまた違うオーラのようなものを感じる。
Rosesは5人組のアイドルらしい。
その中でユニットを組んでアーティスト活動する宇草さんと星島さんの2人が出演することになったという。
俺はスマホに目を落として改めて二人のデータを眺める。
“あの衣装でもある程度胸が大きいのはわかる。でも、衣装の下は、見えている以上に、巨乳なんだ…”
トークは、ちょうど海でPVの撮影が行われた時のことになっていた。
そのPVを検索してみた。確かに、ビキニのトップが弾けそうなくらいの二人。
二人は、その後続けて二曲歌う。