PiPi's World 投稿小説

堕天使の成長
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 6
 8
の最後へ

堕天使の成長 8

翌日は一転朝から雨の降るぐずついた天気になった。
ただ、クロエにとってはあまり天気のよくない日の方が心が落ち着くのだ。

(今日は莉音と一緒に帰ろうかな)

午後の授業中にぼんやりそんなことを考える。
しかしクロエの思惑はあっさり崩される。

体育教師・松原が放課後クロエを呼び出したのだ。
呼び出しを受けたのはクロエの他にもいて、奈々と堀越彩綾の3人。
彩綾は教室の隅っこにいる口数の少ない子なのだが、クロエや奈々と同じくクラス有数の美少女という評判を受けている。

呼び出された場所は体育教官室。
三人共に呼び出される理由に心当たりはないが、とりあえず向かってみる。

体育教官室に行くと、中には松原1人であった。

「おう、来たか!・・・夏休みのプールと体育館使用の予定表があるんだが、ちょっと選り分けを手伝って欲しくてな・・・担任に相談したら君らに頼めって言われた訳だ!」
「えー・・・私達高いよ先生」
「そうそう、アイスぐらい出してくれなきゃ!」

松原の言葉に奈々と彩綾が茶化して返す。
不満で面倒だが断りにくい事だ。
クロエも苦笑いするしかない。

「すまんな・・・キンキンに冷えた麦茶やるから勘弁してくれよ・・・プリント用意するから飲んで涼んでな」

松原はそう言うと、コップと麦茶入りのポットを机に置き、棚をゴソゴソと探し始める。

その様子にため息混じりの奈々がコップに麦茶を三人分注いでいく。

「よく冷えてるからよしとするかな」
「んもぉー・・・アイスぐらいよこしてもバチ当たらないよぉー」

手持ち無沙汰の三人は座って麦茶を飲む。

そして松原があれやこれやと言いながら机にプリントの束を放り投げていくのを三人で眺めていた。
だが・・・

不意に奈々と彩綾の手からコップが落ちる。

「えっ?!」

クロエの目の前で痙攣しながら机に突っ伏す二人・・・
何が起こったのか理解不能なクロエの耳に松原の声が聞こえる。

「お前は・・・何故効かナイ!」

それは松原の声であってそうではない。
何か人ならざるものの声だった。
ゆっくりと松原を見たクロエ。
そこに立つのは松原だが、雰囲気が違う。
本能がクロエにあのレイプ犯と同じ類いだと告げていた。

「何者ダ、キサマ・・・」
「あなたこそ何者よっ!」

答えが帰って来るより早く、松原だったものが飛び掛かってくる。
その跳躍、その速さは人ではありえぬものだった。

椅子ごと転がったクロエは間一髪交わしたが、ブラウスを引っかけられてボタンが飛びブラが捲れ上がる。
露になる爆乳を隠す間もなく、距離を詰めた松原だったものに乳を掴まれる。

「いやあぁっ!!」


咄嗟に突き飛ばすように両手で押したクロエ。
その手のひらから光が発せられ、松原だったものが吹き飛ぶ。
呆然とその様子を見ていたクロエ。
そのクロエの背中にはカラスのように漆黒の大きな翼が生えていた。

「なに・・・これ・・・」

自分の変化に戸惑うクロエ。
だが戸惑うクロエの目の前で倒れて動かない松原の身体からどす黒い煙のようなものが立ち上がっていた。
それを本能でクロエは理解して動く。

「逃がさないっ!」

手を伸ばし、その煙を掴む。
煙のようだがそれは掴めた上に、手に力を入れると苦しんでる様子すらあった。
だからクロエは渾身の力を込めて握った。

すると煙は力を失い・・・
なんとクロエの股間に吸い込まれていった。
それが割れ目から膣を通り子宮に入っていくのを感じる。

「なんなのこれ・・・」

呟きながらクロエは周囲を見る。
倒れて動かない松原はさっきの危険な感じはない。
奈々と彩綾は気を失っているようだった。
クロエの漆黒の翼はいつの間にかに消えていた。
とりあえずクロエはこの事態を解決する事を考え莉音にメールを打った。

「やっぱりあのクロエちゃんだけのことはあるな」
「だから、何というか…変な事にならないか心配で…」

この時、莉音は校門でクロエを待っていて、壮年の男性と話していた。

「あら、あのおじ様、どなたかしら?」
「莉音くんのお父様?」
「恰好いいよね。やっぱり莉音くんのお父様にちがいないよね」

下校する生徒たちの中には莉音の事が気になる女子もいて、彼と親しく話す男性の事も気になっていた。
話している最中に何度も視線を向けられたり、声をかけられ、その都度莉音と男性は挨拶を返していた。

「いささか早く仕事が終わったので来てみたが…お前はずいぶんと好かれているようだな」
「父さんほどじゃないと思うよ」
「心配しなくても私には杏梨だけさ」
「そうだね」

莉音ははにかむように微笑み、その表情を見た父親も満足げな笑みを浮かべた。
その様は実に美しく、そのままスクリーンに映っていてもおかしくないほどの顔立ちと表情だった。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す