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堕天使の成長
官能リレー小説 - その他

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堕天使の成長 13

きっと同じ過去を持っていただろうに、これだけ明るく自由奔放に振る舞える杏梨が少しだけ羨ましく思え、同時に自分も前向きにいかなければと思うクロエであった。

「あの、やっぱり最初は、無理やり襲われて、とかでした?」
「そうね…それでも不思議と痛みは全然感じなかった。クロエちゃんもそうよね」
「はい」

杏梨は微笑みながらクロエに、彼女自身の過去を語った。


それは杏梨が13歳の時。
彼女は妖に取り付かれた不良グループに輪姦され、そのレイプ写真をネタに彼らに呼び出されては犯される日々が続いた。
この時点では、彼女は自分が天使の素養を持ってるとは気付かなかったらしい。

弱い妖に乗っ取られた状態で彼らに犯され、果てには援交までやらされて15歳の頃には経験人数三桁にまでなる。
妖の効果と毎日のセックスで、彼女はその頃には誰でも股を開くビッチと化していたのだ。


そして転機となったのは、そんな援交相手の一人に強力な妖が取り憑いていた事・・・
杏梨はその妖に乗っ取られて妖魔化し、先ずは不良少年達をヤり殺し、夜な夜な男を襲う魔物となったのだ。

「それを倒して浄化してくれたのが当時高校卒業前のパパだった訳」

過去を話しながら杏梨は思い出して股を濡らす。
妖魔化した自分を圧倒的な霊力で倒して浄化・・・
もとい激しいセックスで理性を取り戻させた莉音の父。
それ以来、もうぞっこんであった。

そして、莉音の父はどこから手を回したのか・・・
杏梨を連れてクロエの母国に留学。
向こうで落ち着く間も無く杏梨は莉音を妊娠、出産した。

莉音の父は大学に通い、とある教授の元で研究活動に勤しんだ。
その教授の弟子の一人がクロエの父らしい。

「それで莉音が言葉を喋れるんですね・・・地方が離れてるから余り接点が分かりませんでした」

クロエの父は師匠にあたる教授の薦めで首都の大学に勤めていた。
その教授や莉音の父は風光明媚な首都から遠方の大学だった。

「あら、ほんの小さな頃は何度か会ってる筈よ・・・そこにクロエちゃんのお父様の別荘があるから」
「・・・同世代の女の子とは遊んだ記憶が・・・それ、もしかして?」
「今もそうだけど、莉音って男の子の服を着ないと気付かれないのよねぇ・・・」

悪戯っ子ぽく笑う杏梨の顔を見てクロエはやられたと思った。
莉音ももしかしたら忘れてるかもしれないが、杏梨は恐らく知っていて黙ってたんだろう。

「それ、ずるいです!」
「ふふ、気付くかなぁと思ってたんだけど・・・二人とも忘れるなんてね・・・まぁあの頃のクロエちゃんは元気な『男の子』に見えたけどね!」

そうなのだ・・・
あのレイプされるまでは、クロエは男の子みたいとよく言われていた。
今でも長身だが、体格も男の子並みだったし近所の子と喧嘩もした。
クロエの家はかつての貴族階級だったが、ご令嬢とは思えないお転婆だったのである。

「じゃあ・・・莉音も私の事、男の子と思ってたのかも・・・」
「今はこんなにいい女の子だから、それはあるかもね!」

がっくりと項垂れてしまうクロエ。
あの頃は兎も角、今のクロエは女だけに、あれはある意味黒歴史だった。

しかし、あのレイプ事件が無ければ彼女はまともに女の子してたかは自分でも疑問に思う。
そう考えると複雑な心境だ。

「ただ、多分ね・・・クロエちゃんを壊したあの最初の相手と、今現れた妖は別な気がするわ」
「えっ?!・・・」
「紐付けしたにしては相手が弱すぎるの・・・覚醒前とは言え、天使を壊すぐらいの相手だもの・・・違和感があるわ」

話を元に戻した杏梨の言葉にクロエは考え込む。
あの時、莉音に襲いかかったのだが、一瞬で正気に戻っていた。
本命の相手なら乗っ取られてる筈だと言うのが杏梨の見立てだった。

「じゃあ、最初に現れた妖は、まだこの近くにいるんでしょうか…?」
「それはわからないわ」

悩むクロエ。杏梨も同様に頭を悩ませていた。

「妖も乗り移る相手を選んでいるの。心のどこかに闇を抱えているようなね」
「そうなんですか?」

じゃあ松原は何か闇を抱えていたのか。クロエはそうは思えなかった。
顔つきや体格がゴリラのようで「ゴリ松」というあだ名が定着していた松原。ただ生徒から評判が決して悪かったわけではなく、むしろ面倒見のいい存在である。
唯一クロエが聞いた噂の中で気になることとすれば、3年前に妻を病気で亡くしたこと、くらいだ。

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