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堕天使の成長
官能リレー小説 - その他

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堕天使の成長 12

「はい、頑張ります!」
自信満々の笑顔で答えるクロエに対し、莉音はこれからどうなるんだろう、という不安そうな表情をしていた。

「莉音…私頑張るから!」
「うん…」
その表情は対照的だが、杏梨はこの2人ならうまくやっていけるだろう、と確信していた。


「大体は決まったから、クロエちゃん」
「はい?」
「クロエちゃんが今までに経験したこと、教えてくれない?私も…同じ堕天使として、たぶん一緒のことを経験してるはずなの」

杏梨に言われたものの、クロエは口ごもる。
流石に莉音に前では四年前にレイプされましたとは言える事ではない。

「四年前の件は、私とパパが発見して『治療』して命を取りとめたのだから知ってるわ」
「?!!・・・そんなに酷かったんですか!」
「ええ、生きてるのが不思議なぐらい・・・よく回復したと思うわ」

怪訝な顔の莉音に杏梨が四年前クロエが死の淵をさ迷うぐらいの事故があったと簡単に説明した。
確かに事故ではある・・・
上手くデリケートな部分だけぼかした杏梨にクロエは感謝する。

「最近・・・凄く嫌な夢を見るようになったんです・・・あの公園が舞台で・・・」
「ああ、それであの公園に何度も行ってたのか・・・」
「クロエちゃんを堕天使にした妖が紐付けされてたのね・・・多分、クロエちゃんの覚醒を促して・・・力をつけた所で乗っとるつもりね」

ぼかして伝えているが杏梨は理解し、莉音は殆ど理解してない。
その程度で伝わる事にほっとする。

「紐付け?・・・乗っとる?・・・」

「紐付けってのは乗っとる為の予約と思えばいいわ・・・妖は乗っ取っても霊力を成長させられないの・・・下級の妖は見境なしに向かってくるけど、上級の妖は堕天使が覚醒して力を付けた所で乗っ取って、強力な身体を手にいれようとするのよ」

「それだと堕天使の力に負けてしまわないの?」
「そうならないように紐付けするのよ・・・力が無い堕天使やまたは覚醒前の天使に妖気を送り込んで、侵入する経路を作っておくの・・・こうすると実力ある堕天使でも乗っ取りやすくできる訳」

これは当事者のクロエだけでなく莉音にも理解できた。
四年前にクロエを襲った妖はクロエの覚醒を促しながらも、クロエが実力をつけるまで身を隠しているのだろう。

「まぁ、ママもかつては乗っ取られかけてパパと共に撃退したのよ・・・そしてパパと愛を確かめ合って莉音ができたのよ!」

最後はかなりノロケ気味に杏梨が言う。

そんな話も笑い話みたいな風にしてしまうほど、いまだにラブラブっぷりがわかる莉音の両親。
莉音はため息をつくが、杏梨の言った言葉に、一つ思い出したことがある。

乗っ取られかけた。

あの時のクロエも何かに乗っ取られたような顔をしていた。
一歩間違っていたら何かを吸われて最悪の状況だったかもしれない。

「莉音」
「はい?」
「クロエちゃんと2人でゆっくりお話ししたいわ…さっきので汗かいたでしょう、先にお風呂入ってらっしゃいな」
「ま、また唐突に…」

4年前のクロエと同様の経験を、杏梨も過去に受けていた。本当の話は、今は莉音のいないときの方が話しやすいかもしれないと思った。

余り納得してない顔の莉音を風呂に行かせると、クロエはホッとした表情をする。
流石に好きな男の子に聞かれたく無い内容がいくつかあるからだ。

「まず、夢と言うのはエッチな夢でしょ?」
「はい・・・」

杏梨の単刀直入な言葉にクロエは素直に答える。
杏梨も堕天使なら隠す必要も無い。

「覚醒前はみんなそうよ・・・紐付けされた相手に関連するものを見たりするのもそうよ」
「夢は取り込まれる兆候ではなく?」
「そうね、直接的には関係無いわ・・・堕天使覚醒前に身体が疼き夢にまで見るのは成長期の生理現象みたいなものよ」

杏梨は安心させるように言いながらクロエに身を寄せる。
身を寄せられるだけで、またクロエの身に欲望の火が灯る。

「まだ、満足できてないでしょ?・・・この無尽蔵に沸き上がってくる性欲が堕天使の特徴みたいなものよ」

杏梨はクロエの手を取り、杏梨の下腹部に導く。
大人にしては淡いヘアの内側は、かなり潤んでいた。

「毎日パパと交わっていても足らないぐらい・・・だからクロエちゃんも莉音とたっぷりしちゃいなさいな」

杏梨はそう言ってクロエにウインクしてみせた。

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