堕天使の成長 11
「どうしたの?クロエ?!!?」
「ううっ!怖かったの!怖かったの…!!」
慌てたように再び体を近づけた莉音に抱き着いて、クロエは泣き続けていた。
「大変だったのよね。落ち着くまでそうしているといいのよ」
「お母さん…クロエ、もう大丈夫だから、大丈夫だから」
「ご心配を…おかけしました。杏梨さん」
「いいのよいいのよ」
「僕がついてるから」
落ち着きを取り戻したクロエが頭を下げる。
そこで莉音は自分の股間を指差して言った。すでに黒い粒子は消えていた。
「助かってよかった。ところでお母さん、あの…僕のこれは?」
「あの邪な物の、力の残滓によるものね。射精した後の莉音に吸い込まれて、残滓が莉音に吸収されてそこを成長させたのよ」
「なんだか…すごそう」
クロエが興味を持って莉音の肉棒を手に取った。
ふっくらとした重たさが手に馴染む。
「あ…」
クロエの白い手の中で、触れられてむくむくと再び力を持った肉棒は長さ16p程にまで大きく勃起した。
「でもちょっと余分なものも憑いたみたいね」
杏梨はそう言うと莉音をやや強引に抱き寄せ、莉音の顔に胸を押し付ける。
「吸ってなさい・・・憑き物を出してしまうから」
「憑き物?」
「妖の力の残骸が多くて浄化処理できなかった物が溜まって膨れ上がってるのよ・・・まだ、莉音は覚醒前だから仕方ない事よ」
そう言う杏梨の乳に莉音は色々疑問に感じながらも吸い付くと、少し吸っただけで口の中にミルクが広がっていく。
そして杏梨は莉音の肥大化した茎を握ってしごく。
授乳しながらの手コキ・・・
母性に包まれる暖かさと、茎から発するゾワゾワした快感・・・
あっさりと射精に至るが、莉音の茎から出たのは精液ではなく黒いゼリー状の塊だった。
それを放出すると莉音の茎はさっきの半分ぐらいに落ち着いていた。
それでも多少成長したのかもしれない。
「さて、これでいいわ」
そのゼリー状の物体を掴んだ杏梨がなにやら呪文のようなものを呟くと、それは沸騰したように湯気を出しながら消える。
その不思議な現象を見ながらクロエは杏梨に尋ねる。
「その力は・・・私は・・・一体・・・」
「そうね、有り体に言えばクロエちゃんと莉音は天使なのよ、以上」
拍子抜けするぐらい簡単に結論だけ言う杏梨。
莉音も脱力しながら杏梨に食って掛かる。
「そんなの説明じゃないでしょ!!」
「あ、そうね・・・二人は詳しく聞きたい系?」
普段から割と適当な人だけど、流石これは莉音と言えども憤慨する。
そんな莉音をニコニコと見ていた杏梨が何やら呟きながら・・・
彼女の背中に漆黒の翼が生えた。
しかも左右二対、計四枚の羽・・・
初めて見た莉音は唖然とし、クロエの方は目を見開いた。
「白い羽は聖天使、妖を浄化する力を持つ者・・・黒い羽は、妖を封ずる者・・・堕天使よ」
クロエと莉音にそう言う杏梨。
クロエの知る限り、堕天使は悪魔の手先だと思っていたが、一連の事を考えるとそうでも無いらしい。
「本当はちょっと人より優れた霊力を持つ人間なんだけどね・・・この羽はまぁ霊力が発現したものよ」
「神の使いとか悪魔の手先とかではなく?」
「まぁ、神の使いって表現は近いかもしれないわ、聖天使に関しては」
「では、堕天使は?」
「元は全て聖天使として生まれるのよ・・・でも覚醒前は妖を惹き寄せやすくて・・・妖に汚されて変質しちゃう娘とがあるの・・・それが堕天使って訳」
杏梨の説明で少しだけ理解してきた。
なら、莉音は浄化云々言ってたから聖天使なのか?
「堕天使になった後も妖を惹き寄せ易いんだけど、堕天使には妖を弱体化して封印する力がある訳・・・但し浄化ができなくなってしまうから放置してると妖に乗っ取られて本当に妖魔とか悪魔の類いになってしまうわ」
「それで莉音に浄化・・・じゃあ莉音は聖天使なのですか?」
「覚醒前だけど多分そう・・・莉音の霊力はパパそっくりだしね」
杏梨は莉音の茎に手を添えたまま楽しそうに話す。
勃起する莉音の茎は8cm程度にまで治まっていた。
「だからクロエちゃんは莉音のこれを時々気持ちよくしてあげてね。聖天使が聖天使として覚醒するには、身も心も愛し合える異性が必要なの」
「母さん、でも僕なんか…こんなだし…小さいし…」
最後のほうは聞き取れないほど、莉音の声は小さくなった。
「私…やります!やらせてください!」
「クロエ…本当にいいの?」
「莉音が…莉音がいいのっ!私じゃ…だめ?」
「クロエ…うん、君がいいのなら…」
「ふつつかな息子ですが、よろしくお願いします」
「やったわ!」
これ以上ないほどの幸せさで、クロエが莉音に抱き着いた。
「あ、そうそう。聖天使のおちんちん、覚醒前は同い年の子より小さいのよ。パパもそうだったわ。覚醒すると立派な物に大きく育つのよ。だからクロエちゃんが育ててあげてね」