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欲望の対象
官能リレー小説 - その他

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欲望の対象 9

一瞬ドキッとしたが、すぐに冷静になる。人の趣味を自分が気にすることではないし、何より一万円札が大量に入っているからどうにかしないといけない。
(昨日の男は今日来る筈なんだが、来るだろうか?こんなにも大金が挟まってる財布を探してたんなら連絡先を聞いとけばよかったな)
そう考えていると、背後に気配を感じた。
振り向くが誰も居ない。
「あれ?誰かいると思ったんだけどな…」
そう独り言を言いながら正面に向き直ると、財布が消えていた。
「あれっ?」
慌てて周囲を見回すが、どこにもない。
監視台の下に落ちているのかと思い、屈んでみるがやはり見当たらない。
誰かが近づいて財布を持ち去ったようにも思えない。
結局、落とし主の男も来ることはないままにバイトは終了した。
「―――ということがあったんだ」
「へぇ〜、そりゃあ確かに怪しいな。てか、その財布ってもしかして…」
敏典が何やらニヤつきながら言う。
「ん?どうかしたか?」
「ん?どうかしたか?」
「その男が例の事件の実行犯で、写真は何かの証拠なんじゃないかと思ってな。それより、俺もその事件のこと調べてみたいな。なんか面白そうだし」
「そうだな、まあ暇だし、二人でやってみるか?」
「ああ、そうしよう」
こうして敏典と共に例の事件を調べることになったのだった。
「とりあえず、まずはその財布を落としたって男はどんな奴だったんだ?何か覚えてるか?」
「うーん、確か25歳くらいだったな。身長は俺より少し高いくらいで、体型はアスリート風ってところかな。あと、ちょっとツリ目で男らしい感じの顔立ちだった」
「なるほど…他には?」
「いや、特に何も…」
柊真が思い出しながら話していると、敏典が言う。
「実は被害者のリストをある筋から入手しててさ、そこに行方不明者3人の詳細な事が載ってるんだよ」
「えっ!何だよそれ、そんなのどこで手に入れるんだ?」
敏典はスマホを取り出しながら答える。
「まあ、ちょっとな…」
どうやら聞くだけ無駄なようだ。あまり深く追及しない方が良さそうだ。
「さっきは被害者の事は詳しく知らないって言ってなかったか?」
「それは被害者の最後の足取りまでは掴んでないって事、それ以外の事ならそれなりにはリストに書いてあるぞ」
「そうか…」
2人で被害者3人の写真を見る。どれもが水泳中の写真で、ここで撮影された画像もある。
3人ともおそらく20代半ばくらいだろうか?

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