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欲望の対象
官能リレー小説 - その他

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欲望の対象 8

「聞いたか?例の事件。また出たらしいぜ」
「例の事件ってなんだ?」
「ほら、こないだのアレだよ。男ばっか狙われてるヤツ」
「あぁ、そういえばそんなこともあったな。確か最後の被害者はここの利用客じゃなかったっけ?詳しくは知らないけど」
被害者についてはプライバシーの問題があるので詳細には報道されない、というより報道規制がかかっているはずだ。
なので、ここで起こったらしい事件でありながら詳しいことはわからない。
しかし、柊真はその事件について思い出すことがあった。
数日前、このプールで奇妙な出来事が起こったのだ。
ちょうど今日のような暑い日のことだった。
柊真が監視台でぼんやりとしていると、水着姿の一人の男がやってきた。
「すみません、ちょっといいですか?」
「はい、どうされましたか?」
「実は、財布を落としちゃったみたいで」
男は申し訳なさそうな顔をしながら言った。
柊真は少し迷ったが、すぐに答えを出す。
「わかりました。一緒に探しましょう」
「ありがとうございます!」
柊真は男と一緒にプールサイドを探してみたが、なかなか見つからない。どうせ客はこの男一人なので、探すのに集中していても問題はないのだが…。
「どこでなくしたとか、心当たりはありますか?」
「いえ…気が付いた時には持っていなかったので」
「うーん、だとしたら難しいかもしれませんねぇ」
プール内は広い。全く客が居ないから探しやすいとはいえ、全部を探すのには時間がかかりそうだ。
そもそもこのプールで落としたとは限らないので、いくら探しても無いかもしれない。
そうこうしているうちに夕方になり、辺りも暗くなってきた。
「仕方ありません、今日のところは諦めます。明日また来てみようと思います」
「わかりました」
「はい、わざわざ探していただきありがとうございました!」
男はそのまま帰って行った。
次の日の朝、柊真はいつも通り監視台の上で退屈な時間を過ごしていた。
ふと、何か緑色をした物が目に入る。
(ん?なんだこれ?)
よく見ると、それは折りたたみ式の財布らしい物だった。
昨日の男の物だろうか。とりあえず中を確認する。
中には1万円札が大量に入っていた。ちょっとした車くらいなら買えてしまう額だ。
それだけでも驚くのだが、それ以上に驚いたのは挟まっていた写真である。
そこには全裸の男達が写っていた。しかも全員かなり筋肉質な身体をしている。
(うわ、なんでこんなものが…)

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