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生き残っているのは?
官能リレー小説 - その他

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生き残っているのは? 7

その時、後部座席から痩せ細った腕が飛び出してきて僕の手を掴んだ。
「ひっ…誰だ!」
僕はあのクソ女かと思い、思い切りはね除けた。だが、そうではなかった。
相手は、使えなくなったという理由で頭を撃ち抜かれた男そのものだったのだ。
「殺された筈なのに…」
僕は恐ろしくなって逃げようとしたがどうも男の様子がおかしいので動きを止める。
頭から肉片を垂らしてやつれていた男の肉体が急激に生気を取り戻していく。いやそれだけではない、人間の顔が変形していき獅子を思わせるものへとなっていったのだ。
「これは…獣人化している!」
暴走した女によって搾り尽くされた男は人間性までをも搾られてしまい、それによって獣化してしまったのではないだろうか? そんなことを思っていると、獅子の顔となった男が僕に飛びかかってきた。
「うわぁっ!何するんだ!」
僕は必死に抵抗し、なんとか車外へ転がり出た。
幸いまだエンジンをかけただけだったので、飛び降りた際に怪我をする事はなかった。
「ウガァアアアッ!!」
白い獅子へと獣化した男はさっきまで乗っていた車を持ち上げると、それをこちらに投げつけてきた。僕は咄嵯に身を屈めてそれを避けたが車はそのまま近くの電柱に衝突して大破してしまう。
「くそっ、なんて力だ…。せっかく見つけた車が…」
僕はこの男を倒す為に武器を探すことにした。すると近くにあったゴミ捨て場に古びた金属バットが捨ててあることに気づいた。
「これなら…!」
僕は落ちていたバットを手に取り、身構える。だが、相手は一人ではなかった。いつの間にか周りには同じような姿の男達が十人以上集まっていた。
虎・狼・熊…様々な種類が居るが、どれもが筋肉質な身体をしており凶暴そうな見た目をしている。そして、発情しているのか全員股間を膨らませており、そこから雄臭い匂いを放っている。
恐らくこの連中全員が被害者なのだ。獣人と化した彼等はただ雄の本能のままに行動しているに過ぎない。
「ウゥッ…」
僕の姿を見た獣人達は低く喉を鳴らしながらゆっくりと近付いてくる。
「来ないでくれ…こっちに来るんじゃない!」
僕の言葉を無視し、奴等はジリジリと距離を詰めてくる。そして遂に白獅子の男が大きく吠えたかと思うと一斉に構えを取り襲いかかってきた。
「うぉおおおっ!」
僕は向かって来る奴等にめがけてバットを振り回したが空振りばかりが続いた。
普段運動などしていない上に緊張のせいで力が上手く入らないのだ。

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