強運天使が舞い降りた!? 7
なんなんでしょう唐突に。
戸惑いながら僕は記憶をフル稼働させて考える。
「ええと…特にないです。暇ですね」
「よかった…でしたら、一緒に映画とか観に行きません?」
「えっ?またなぜ」
「友達と約束したんだけど、その子が週末用事が出来ちゃって…チケットも取ったのにもったいなくて」
「はあ…」
ふと、エリサのほうを向く。
「(チャンスですよ)」
そういやコイツは念を送って会話でも出来るのだろうか、喋ってもいないのに僕に声が届く。
「いいですよ。」
「良かった。じゃあ、これ。」
僕は彼女からチケットを受け取った。
…これで週末の予定が出来たが、果たしてどうなるのか。
玄関の靴箱に何かが挟まっている。
「…なんだこれは」
「きっとラブレターですね」
エリサが言う。
「…お前まだいるのか」
「転校生ですから。それに、私が側にいるべきなので」
…このラブレター?差出人の名前がない。
なんのつもりなのか。
考えているうちに時間は過ぎる。
同じ学年の担任や教科担当にエリサを紹介し、彼女を連れ教室へ向かう。
エリサの所属は僕のクラスだ。
…まあこれも都合よくなのか、コイツが操作したのか。
「ええっと…今日からみんなの仲間になる転校生を紹介する…入って来い」
「角松エリサです。よろしくお願いします」
教室がざわめいた。
ただでさえ美少女ぞろいのクラスだが、エリサはそれ以上だからなぁ。
女子生徒たちがざわついている。
「胸大きいなぁ…」
「あの子、ほんとに女子高生?ルックスもスタイルもよすぎじゃない?」
まあ、当然の反応だな。
「みんな、静かに。エリ・・、角松は空いてる席に座れ。」
僕はうっかり、下の名前で言いそうになった。
…そりゃ、誰だってそう思うさ。
アイツの言うことが本当なら、年齢詐称だし、先ほども言ったが人間じゃないんだから。
「(ふふ、可愛い子がいっぱいじゃないですかぁ。これは真さん、モテるんじゃないですかねぇ〜)」
…なんかまたよからぬこと考えてる様子。
念を送って会話できるようだが、コイツもコイツで考えてることが僕にダダ漏れしてるようだ。