強運天使が舞い降りた!? 6
…まあ、天使なんだから魔法とやらで何でも用意できるんだろう。
「そちらの子ですね、今日から入る転校生」
「え、ああ、そうですよ」
彼女にエリサを紹介する。
「初めまして、角松エリサです」
「名前見たらハーフなのかと思ってたけど、全然そうでもないのね」
「よく言われます」
…ハーフどころか、人間じゃないんですけどね、ソイツ。
「真さんは桐山さんのこと好きなんですねぇ」
僕は一瞬ドキッとした。
「さ、さあ、それはどうかな…」
「隠したって無駄ですよ〜。私は契約した人の心を覗けるんですから」
「そんな…」
「それに、他にも好きな人がいるんですね?」
「…どうせそれだって知ってるんだろ」
「そうですよ〜」
どうやら僕のプライベートは筒抜けのようだ。
「さて、それじゃあムッツリスケべ真さんは、彼女といい関係に成りたいって事ですね」
「いろいろすっ飛ばされてる気がするけど、まあ、成れたらいいねそういう関係に」
全く遠慮しない物言いに呆れながら頷く。
「成れますよ、それなりの物をプレゼントして告白すれば、彼女は2つ返事で受け入れてくれますよ」
「それなりの物って何さ、それなりの物って」
「そうですね、彼女だったらアイドルのプレミアチ厶ケットって所ですかね」
「プレミア厶チケットって入手大変じゃないか」
それなりの物はかなり手に入れ辛い物だった。
「まあ、任せてください。その為に私がいるんじゃないですか」
「あ、ああ、そうだな…ってかホントにお前にそんな力があるのか?」
「あ、まだ信じてません?」
ニコニコしながら、口調は不満げなエリサ。
「私にかかればプレミアムチケットも簡単に入手できます…ただし、それには条件が一つあります」
「条件って何?」
「えっとですね…」
「なに話してるんですか?」
…いけない、桐山先生が隣にいた。
「(話はまた後でします)」
「(悪いな)」
エリサと視線を合わす。
「ところで、佐藤先生」
「はい?」
「週末、用事とかあります?」
いきなり桐山先生にそう聞かれた。